あんへる

半分の月がのぼる空のあんへるのレビュー・感想・評価

半分の月がのぼる空(2006年製作のアニメ)
2.4
【2006年冬アニメ作品{全6話}】

三重県伊勢市の病院が舞台の作品。
肝炎で入院した少年と、不治の病を抱えた少女との交流を描いた恋愛物語。
実写映画・ドラマ化もされている。

遥か昔に原作を読んだ記憶はあったが、こんな話だったかなぁ?

元がラノベの作品としては変にファンタジーな要素も無く、比較的誰でも観やすいシンプルでクセの無い作風だとは思う。
ただ、テンプレキャラが多い上に心情描写もざっくりしている所が多いため、惹き込まれる部分があまり無い。
これは6話という特殊な尺の問題でもあるのかもしれんが、このジャンル・題材を扱う上では割と命取りな気がする。

もう一つ主観で言わせてもらうと、どうしても里香が好きになれない。正直これが一番キツい。
病弱ヒロインという本来同情を引いてなんぼ的なポジションにいるにも拘わらず、何故か全く感情が動かない。
最初から最後まで性格に難ありのわがままお嬢様って印象が覆らない。
他の何を差し置いてでも、せめてヒロインの造形だけは丁寧に作り込んで欲しかった感はある。

“いずれ訪れる大切な人との別れ(死)”というこの手の物語では普遍的なテーマに対して、安易なハッピーエンドでお茶を濁さず、あくまで写実的に描き切っている所なんかは好感が持てる。
ただ、それだけにもう少し長尺で観たかったというのが本音であり、残念なところでもある。

何か深いテーマ性を匂わせつつも、最終的には特に何も残らない。
詰まる所、凡庸なラブストーリーで終わってしまっている感は否めない。

主題歌は詩的で作品の雰囲気にもマッチしていて非常に良い楽曲だと思う。


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[主題歌]

OP
 nobuko「青い幸福」

ED
 nobuko「記憶のカケラ」

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