ガンダム作品の中でもかなり好きな作品。
その理由は一般市民から見た戦争を描いている点だ。
主人公は一般市民の少年アルで、たまたま彼の住居の近くで戦争があったことで、敵兵士のパイロットと出会って交流を深めていく…というストーリー。
南半球は季節が北半球と真逆だということを学んだ作品。地球って奥深い。
第一話のアルとバーニィの出会いのシーンが素晴らしい。これ、1989年の作品なんだな…!
アルはジオンの新兵バーニィと親交を深めていくわけだが、バーニィと戦う定めにあるのが、アルの隣の家に住んでいる連邦軍のお姉さんクリスというのがドラマチックだ。こんなの、どっちが勝っても悲しいに決まってる…。
ラストの戦わなくてよかったのに戦うしかなかった展開が胸に来る。戦争という大局に翻弄されたのは、市民のアルはもちろん、バーニィとクリス…両軍の兵士も同じだった。
そして、そんな戦いの後にあった全校集会でのやりとりこそ、この作品で一番伝えたかったことに違いない。
あれからガンダムシリーズもかなり数が増えたが、いまだにここまで市民の視点に寄り添った作品はこれしかない。