このレビューはネタバレを含みます
個人的に涙とまらんかった場面2つ
まずアルがクリスに「バーニィもきっと残念がると思うな」と答える場面。まだ幼いアルが背負った、一人で抱えるにはあまりにも重すぎる真相。それでも涙は流さず、クリスの目をしっかり見上げて別れの挨拶をするアルの健気さに、胸が苦しくなるどころの話ではない。
もう1つは校長先生の話の途中、堪えきれず涙をこぼす場面。涙を見せない立派な姿を見せたアルが、意外な場面で感情を抑えきれなくなる。冗長・退屈の象徴とも言うべき校長先生の話で突然泣き出したアルに友人たちは驚き、当然原因が他にあると考える。だがアルと同じ視点で一部始終を見た視聴者にだけは涙の理由がわかっている。以前なら聞き流していたであろう言葉の一つ一つが、重みをもって胸に突き刺さってくる。さらに友人たちの見当違いな心配や慰めが、いっそうアルと視聴者の孤独感を煽ってくる。ビデオレターの場面が人気だが、自分にとってのベストシーンは断トツでここ。