回想シーンでご飯3杯いける

機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORYの回想シーンでご飯3杯いけるのレビュー・感想・評価

3.5
【TV/OVA版ガンダムを製作年順にレビュー中】

ファースト・ガンダム期を描いたOVAの中で、唯一骨太な作風なのが'91年製作の「0083 STARDUST MEMORY」だ。

オープニングは、ファーストのラストシーンで戦場となったア・バオア・クーから始まる。ファーストのラストで、シャアがこっそり脱出するシーンが挿入されているのはわりと有名だが、他にもジオン公国の生き残りがいて、その3年後(宇宙世紀0083)にジオンの志を証明すべく、地球連邦に復讐を試みるという、かなり熱いストーリーになっている。

ジオンの生き残り“ガトー”は、歴代ガンダムの中でも、かなりの名キャラだと思う。軟弱化した戦後の連邦を嘆き、その甘々な脇腹に刃を向ける。「ソロモンよ!私は帰ってきた!」このセリフを聞く為だけでも、見る価値がある。ジオニストを自称する日本男児は(女子も)決して見逃してはいけない作品だ。

作品のもうひとつのポイントは、ラストが、後のZ(ゼータ)ガンダムの時代(宇宙世紀0087)に繋がるようになっている所。でも、実際にこのOVAがリリースされたのは、ZガンダムのTV放映よりかなり後ななのだ。つまりこれ、スターウォーズ・シリースが、エピソード4、5、6、1、2、、、そして最後に3をリリースしたのと同じ。いわゆる闇の時代(ミッシング・リンク)を映像化する事で、ストーリーを完結させる手法だ。だからこの「0083」を見られる方は、先にZガンダムを見た方が良いと思う。