このレビューはネタバレを含みます
日本の歴史(S極)とSFのロボット物(N極)、相反する物が見事にくっつきあった作品だった。
『鋼鉄ジーグ』は未見。だが、かなり楽しめた。敵の妃魅禍さま、えちえちスギィ!あと、おっπの為ならがんばれる、主人公。わかりみが深い。
ロボットアニメを見ているのに邪魔大王国(邪馬台国)、妃魅禍(卑弥呼)、ハニワ幻人(ハニワ)、銅鐸などの歴史的ワードが飛び交う新鮮さ。『エヴァ』では聖書を扱っていたが、やはり異国の伝承とはまた違う味がある。日本の歴史だからこその味が出ていた。
本作では『鋼鉄ジーグ』での戦いの末、九州が謎の煙に包まれたという設定だった。それから時を経て、前作のヒロインもおばあちゃんになる頃が本作の舞台となっている。いざ、煙の中に入ってみると、煙の中ではほとんど時間が進んでいなかった。
『浦島太郎』を思い出した。竜宮城でのほんのささやかな一時の贅沢をした浦島太郎。地上へ戻ると何年もの時間が経過していた。浦島太郎は竜宮城で貰った箱を開けると、箱から煙が立ち昇り、年老いた姿になるという昔話。本作はSFでありながらやはり歴史や古さを感じさせる。
現実の科学においても"ウラシマ効果"という言葉がある。互いの速度差により時間の遅れが生じる現象。
歴史と科学は切っても切り離せない。磁石の威力の如く互いにビルドアップしている。