駄文屋さん

サマータイムレンダの駄文屋さんのネタバレレビュー・内容・結末

サマータイムレンダ(2022年製作のアニメ)
4.6

このレビューはネタバレを含みます

面白いという噂を聞きいて興味はあったけど25話もあるし、まとまった時間が出来たら観よう、で先延ばしにし続けて、ようやくこの土日で一気観。めちゃくちゃ良かった。
観終わって1日経った今も未だ余韻が残ってる。
夏が好き!夏を舞台にした作品はもっと好き!な自分には刺さりまくったなあ。青春(この作品青春か?)って良いなあ(羨ましいなあ)
色々と、ネタバレ含めて感想書いていく。

ストーリー・構成
タイムリープと青春と影というホラー要素(あと夏!そして、田舎!)を組み合わせた良作。
前半ホラーサスペンス、中盤SFミステリ、後半能力バトルモノ、ラストはド青春って感じか。(いや、青春は色んなところに散りばめられてたか。)
個人的には前半〜中盤の感じが好きだったなあ。ゾクゾクワクワクというか。特に1〜3話。
中盤のどんどんと謎に迫っては、また謎が増えて、な展開とかは、飽きさせない。
後は緊迫感のあるシーンとほのぼのパートの使い所が上手だった印象。
後半のバトル展開は勢いは良い反面、ちょっと無理矢理感が凄かったかなあ。常夜の辺りが特に。なんか幽遊白書の魔界に行く件を思い出した。影っていう謎に満ちた恐怖の対象が、単にバトルマンガの能力保持者になってしまった感。
屍鬼みたいな、じんわり恐怖や絶望が蔓延していく、みたいな展開も観てみたかった気も。(そしたらあんな爽やかな展開にはならないか)

キャラ
物語の中心人物たち、主人公サイドの慎平、潮、澪、ひづる、根津、窓は良かった。
キャラに一貫性があり、生き生きしていて、それでいてストーリーの邪魔にならない。ちょっと気になるのは朱鷺子かなあ。
もうちょっと自己嫌悪とか葛藤とかあっても良いような気がした。ストーリーの都合上、しょうがないのかな。
敵キャラサイドは、魅力的か、というとそこまでかも。蓋を開けたら、うーん。
ただ、悪役の行動原理というか、その理由付けって難しいよなあ。どこまで我欲が中心だから、どこまで行ってもチープに見えるというか。
影ミオは好き。

慎平、潮、澪の関係性も良かった。
ドロドロとしてなくて爽やかな恋愛。羨ましい慎平。

蛇足だけど、物語の中でFF7の話題が上がったけど、作者は好きなんだろうか。
なんというか、潮と澪に、エアリスとティファ味を感じる。
一見お淑やかそうに見えて天真爛漫なエアリスと潮、一見溌剌そうだけど、奥手なティファと澪、的な。
刺さりまくるなあ。

作画
全体的に綺麗でギャグやシリアス、ホラーに合わせた書き分けも上手だったし、島の背景、風景も良かった。
ただ、たまに若干違和感ある絵があったかも?

楽曲(というかOP)
一期のマカロニえんぴつのOP、星が泳ぐ、本当に良い。
特にイントロ、なんだろうかあの夏の切なさ感。永遠聴いてられる。特に物語前半にマッチしていると思う。すこだ。
二期のOPは、確かに二期のストーリーっぽいなって感じ。

気になっ点(重箱の隅つつき)
だって観測者だもん、で片付くのかもしれないけど、
・終盤、浜に打ち上げられた鯨姿のヒルコ?波稲?を消しちゃったけど、そしたら世界(現代)が大幅に書き換えられてしまうのでは?(大飢饉とか乗り越えられなくて、現代の人々が大幅に変わっちゃわない?)
・慎平が東京に行く理由も、小舟家に養われいるのが嫌で早く自立して潮と家族になりたくて東京で料理学ぶんだ、的な感じだったけど、再構築された世界では両親生きてるしその動機も無くなった訳だけど、なんで東京に出たん?(てか本土じゃだめなん?)

・海の中でめっちゃ会話するやん。
・家の中であんなに騒いでたら流石に誰か気づくやん。
・儀式に何人ぐらいの人が必要だったのかわからんけど、影の力あればパワープレイで行けたくね?
・三話の夏祭りの最後の方に出てきた、潮(ぽい)後姿の子はなに?(もしかして解説考察ある?)

最後に、他の方の考察を読み漁ってたところに、最終話の「ただいま」を誰に(どちらに)言ったのか、という内容を見つけて、確かに、と脱帽。ちょっと怖く、不気味だけれど、それでも自分はハッピーエンドなのかなと思う。上書き、というより、書き足した、というか。スワプマンはどちらがというかこっちは?というか、が問いだけど、これはどちらも、さらに、的なニュアンスかなあと。二人はプリキュア。二人でプリキュア。

和歌山弁が好きになった。方言良いよね。
島民みんな良い人過ぎ。海の近くの田舎暮らしにちょっと憧れる。最後が花火大会じゃなくて潮の誕生日っていうのも、時が進んだ感じがして良かった。
潮や澪みたいな幼馴染が欲しい人生だった。

夏にまた観たい。