物語の前半は主人公の幼馴染の死をめぐるサスペンスストーリーで、主人公の秘められた力や島の真相に迫っていく予測困難な展開は緊張感があり目が離せない。綺麗な海が広がる夏の離島に不気味な空気が漂い、我々は作品に没入していくことになる。
しかし、後半になると雰囲気は一変し激しいバトルアクションが繰り広げられる。正直、こちらの展開がなんとも微妙だ。週刊少年ジャンプの作品で度々見かける終盤がバトルだらけになる、まさにアレだ。せっかく前半で作り上げた田舎の島で事件が起こるという閉鎖的でひりつく世界観が崩壊してしまっている。物語自体は最終的にそれなりに綺麗な幕引きとなるが、元々期待していたものではない物が後味として残る、そんな作品だ。