しゃけ造

機動戦士ガンダムのしゃけ造のネタバレレビュー・内容・結末

機動戦士ガンダム(1979年製作のアニメ)
-

このレビューはネタバレを含みます

うーんこれは本物のアニメ。演出面においては放送アニメなだけあり火の鳥などには敵わないが、それでも単なる動く絵ではなくしっかりと漫画の映画であり、ところどころに光る演出を持っている。特に火の鳥がなし得なかった脱ディズニー的演出、ガノタという特殊オタクを生み出した点において、ジャパニメーションの一つの転換点とも言える。
この作品を見ると、エヴァにしろエウレカにしろ全てガンダムの影を追っている作品のように思えてしまう。ガワが神話になろうとセカイ系になろうと、ことごとく戦いを通じて子供と大人の相克、成長期のメンタルのもろさを描く作品の多さ。戦争×子供という構造の食い合わせに疑問を感じていたが、全てはこの作品が元凶の可能性がある。
無論、この作品もまたそれまでの系譜を無視しているわけではない。日本のSFはどこかしらに西部劇の要素を持っている作品が多いように思えるがこの作品も例にもれず、放浪を通して成長を描く西部劇の系譜を受け継いでいると言える。しかし、そうした武骨なSFとナイーブな精神を連結させた点に新しさが当時はあったのではないだろうか。
個人的な感想としては、アムロが戦争の中に生きる人間としては覚悟が足りなすぎると感じた。もちろんこの部分を補うためのサブキャラクターがおり、その衝突と成長が面白いのだが。このアムロ像が後のシンジ君やレントンの鬱陶しいメンタリティに直結していて罪深い。ガンダムが始祖だと思われるのでここで言うことではないが、お前ら何年同じことやってるのかという感想を抱いた。