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BANANA FISHのめるのレビュー・感想・評価

BANANA FISH(2018年製作のアニメ)
5.0
「これだけは忘れないで。世界中が君の敵に回っても僕は君の味方だってことを」

アメリカ、ニューヨークのストリートギャングのボス・アッシュと日本人の英二が"バナナフィッシュ"の謎を巡りながら友情を深めていくサスペンス×ヒューマンドラマ。

私が4年前にふと「BANANA FISHがおもしろい」と耳にしてからずっと気になってた。心に引っかかっていたのはやはり"バナナフィッシュ"というワードのおかげか。

海外ドラマのようなドラマチックなストーリー運びに一気に惹き込まれた。
そして、英二とアッシュの関係は友情や恋愛という一言では言い表せないほど深い愛情で結ばれていて、どの瞬間も美しかった。

このアニメで印象的だったのは瞳の中に映る景色。瞳の煌めきや揺らぎ。英二の眼差しやアッシュの心が動く瞬間が丁寧に描かれていてとても良かった。

アッシュと英二。
ふたりの住む世界が違ったのは事実だったけど、そんなものは初めから問題じゃなかったと気づいた。
それでも運命というものについて何度も考えてしまった。たとえ不幸に見える運命でも気持ちの持ち方によっては違って見えるのかな。

個人的にマックスもすごく好きだった。常にアッシュの味方で、そこにいるだけで心強くて、ユーモアもあって、仲間にいてほしい存在。
登場人物みんながそれぞれどうにもならない想いを抱えていて辛かったけど、誰一人この物語に欠かせないキャラクターで魅力的だった。

毎回King Gnuの「Prayer X」が流れたところでエンディングに入っていて痺れた。
アッシュの性格と気持ちが歌詞とメロディにギュッと詰まっていて切なくなるのに何度も聴いて余韻に浸ってる。

あと、各話タイトルがサリンジャーやヘミングウェイ、フィッツジェラルドの小説から拝借しているのもお洒落。
作品名は知っていても読んだことはなかったので、まずは古本屋さんで見つけた「バナナフィッシュにうってつけの日」から読んでみようと思います。

「そばにいてくれ。ずっとなんて言わない。今だけでいい」
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