このレビューはネタバレを含みます
ちょっと立ち直れそうにない、、、
最後アッシュが死ぬのかなと見始めて、エイジが死ぬのか?と途中で思い、生き別れエンドかーと悲しくも安心したのに、最後にアッシュが、、、いや作品としては死に方もタイミングも完璧なのはわかる、それでも、本当に立ち直れない
確かにアッシュはあのまま生きていても人を殺めすぎた過去を背負い、これからも殺め続けるしかなかったのかもしれないけれど、それでも生きていて欲しかった、、、ああ最終決戦でもなくここでこんなふうに、普段死なないような死に方で死んじゃうんだってのが、なんか「君の膵臓をたべたい」的な驚きとやるせなさとでも納得性があって、とにかく辛くて仕方ない。
本当に日本という国に生まれた私達ってなんて幸せで平和なんだろうと思った。銃もない殺し合いもない表だったギャングや売春がない世界で育った人たちの話す言葉は、きっと彼らには説得力なんて何もなかったんだろう。それでも、そんな国で優しく育ったエイジの笑顔が、言葉が、アッシュをどれほど救ったんだろうか。
もしかしたらエイジに出会わなければアッシュはもっと長生きしていたのかもしれない。最期だってエイジからの手紙がなければアッシュは刺されずに済んだだろう。エイジが聞いたら自分が殺したと思ってしまいそうなシチュエーションだ。それでも、アッシュはあの死に方で良かったんだろうな。エイジに出会えたことでアッシュの人生は生きていて良かったと思えたのだろうな。
アッシュの苦しくて辛い人生、最期の瞬間だけでもそう思えたなら幸せなんだろうか。ああでも2人でもう一度最後に話して欲しかったし、空港に来て欲しかった、手を握り合って欲しかったし、なにより2人で日本で過ごして欲しかったんだ。。。
なんか本当にやりきれない、なんでこんなすごい終わらせ方をできるんだ、すごい私絶対作品とか作れない絶対殺せない凄すぎる
まどマギとかは鬱エンドでもフィクションだなとまだ思えるけど、この作品は現実に沿っている部分が多いからよりやるせないなと思ってしまう。
あとなんか普段はアニメ作品みてBL!って気持ちもわかるけど、この2人に関してはBLとかではなく本当に、友情も恋愛も超えた、人間愛だし「救い」という言葉でしかなかった。お互いにとって救いだったんだよな、でもなんか結局エイジは日本に帰れば安全で家があって親がいて。そんな生活の中でエイジにとってのアッシュは「光」レベルの救いなんだけど、アッシュにとってのエイジはもう全てであり救済だったんだな。と思うと、そこの2人の気持ちの非対称性とか、結局はその背後にある生育環境の違いが本当にしんどいよ。
2人が日本で生まれて、学校で仲良くなって、売られたり殴られたりなんてこともせず、銃なんて映画の中のものだと思って暮らせたら、本当に良かったのに、と手紙や図書館のところで涙が止まらなかった。
しんどい。本当にしんどい。もう一回観たいけど観たくない。しんどい。でも本当にみてよかった。