Neigis

デビル メイ クライのNeigisのレビュー・感想・評価

デビル メイ クライ(2007年製作のアニメ)
2.8
原作は1〜5までプレイ済みです。

カプコンのスタイリッシュアクションゲームシリーズのアニメ化。
アニメ放送時点では3までが発売されていた感じだと思います。

基本的にはオムニバス形式で話が進む、1話完結型のアニメです。
ゲーム原作を知らなくても話は分かりますが、一応時系列的には2と4の間に当たるそうです。(5発売時に公式が時系列順を変更しました)
今作で初登場したヒロインのパティと情報屋のモリソンは5に逆輸入され登場しました。
(パティは声のみ、モリソンはなぜか黒人になっていますが..)



・ダンテ、トリッシュ、レディのキャラデザ
ゲーム版はフォトリアルな感じなのでアニメ絵にすると違和感があるかと思いましたが、3人ともカッコよく落とし込めていたと思います。


・ストーリー
上記で述べた通り1話完結型の話なのですが、殆どの話が面白くない...
今作はゲームのように一貫したストーリーではないので、ダンテが様々な依頼を受けて色々な事件と対峙する、デビルハンターダンテの日常という感じでした。

大抵新しい依頼人が登場して彼ら中心に話が進みますが、ポッと出の一般人のしょーもない身内話ばかりでしたし、話の展開も読みやすく意外性もなく、かといってありきたりな話なので感動もできませんでした。

唯一ゲームではあまり語られない、主人公ダンテの父・スパーダについて語られる回があり彼の弟子が登場し、少し期待したのですが雑に処理されて終了でした。声優も名のある方でしたしキャラデザも良かったのに凄く勿体なかったです。

また、ゲームシリーズではほとんどが魔界化しかけた街や場所を舞台しているために平穏な外の世界が描かれることは殆どなかったと思います。
なので、良かった点といえば悪魔が世間一般的に知られているものなのかや一般人はどんな風に暮らしてるのかな〜というのが分かったところです。
(警察に捕まったら裁判もなしにその日の内に刑務所にブチ込まれるという、同じ会社の作品の「序審法廷制度」も真っ青な仕組みに加え、刑務所内では悪魔に取り憑かれた刑務官達による受刑者狩りがあるぶっ飛んだ世界でした...恐らく深く考えちゃいけないところでしょう)


・戦闘シーン
個人的にデビルメイクライはキャラ・ストーリーも魅力的ではあるのですが、一番の特徴はやはりアクションだと思うので戦闘シーンに期待したのですが....

対峙する悪魔は殆どゲームのザコ敵のような弱そうな悪魔ばっかりで、ゲームのステージごとのボスのようなインパクトのある見た目もしてないし掛け合いも大してありません。
そして戦闘シーンは最終話以外、終盤の短い時間だけ軽ーく戦って超あっさり倒されて終了です。
最終話でさえ、レディとトリッシュの活躍があるもののダンテとラスボスの一騎打ちは軽ーく戦った後、つばぜり合いして終了。

またダンテはゲームだと愛用するリベリオン(剣)とエボニー&アイボリー(二丁拳銃)以外にも様々な魔具(武器)を扱うことができます。
籠手やヌンチャク、双剣やエレキギター、ミサイルランチャーや変形銃、最新作では帽子にバイクなど...
ですが今作では上記した剣と二丁拳銃のみで、確かにこの二つはシリーズの殆どに登場する代表的な武器であり、ダンテは借金のため手に入れた魔具を殆ど売り払っているので過去作の武器が登場しない設定がありますが...物足りなかったです。


それに3と1ではまだ未熟だったために魔具の力を利用する必要がありましたが、ダンテは魔人化(デビルトリガー)することができるのも大きな特徴です。
しかしこのアニメではその姿で戦うどころかほとんど見ることもできず、最終話で一瞬映る程度でした。


・まとめ
マッドハウス制作でビジュアルの再現度が高く、オープニングの戦闘もカッコ良かったので期待しましたが...
怒りが込み上げるほどの酷い出来ではないが、決して楽しめたとはいえないザ・微妙な出来でした。

ゲーム原作のアニメで成功するのは結構稀なのでハードルは下げていたけれど...
こんな感じなら、ゲームシリーズのように一貫したストーリーを描くか、熱いシーンが多い3のストーリーをやって欲しかったなと思います。

ただ、ゲーム原作でオリジナルストーリーを描いたあまり評判の良くないアニメはその後のシリーズだと黒歴史化して触れられないことが多いですが、最新作の5でキャラがゲスト出演したりなど公式の扱いは良い方だと思います。

余談ですが、2023年にネトフリオリジナルで新作アニメの制作が決まったようです。
個人的にダンテのビジュアルは旧アニメの方が好みですが...情報がないのでなんとも言えないですね。
Neigis

Neigis