ほぼほぼ1作目の踏襲だと思える「サンシャイン!!」と比べると新しく加味された要素が多く、その点が上手く機能していると関心させられる一方で、セルフオマージュ(但しアニガサキは除く)の弊害も覚えたシリーズ第4作。行動派な主人公を据えた過去作と異なり、本作の主人公かのんは巻き込まれ型であり、物語冒頭から人前で歌うことができない明確な悩みを抱えている。スクールアイドル結成の呼び水となる役割は上海からの留学生である可可が担っており、彼女に突き動かされ、かのんはやがて心の痛手を乗り越えていく。廃校問題を基軸とした旧ストーリーだと俯瞰して捉えたときにドラマ性がやや希薄に感じられたが、パーソナルな面にスポットを当てた今作の物語はより魅力的に映る。特にかのんが過去のトラウマを克服する#11「もう一度、あの場所で」は屈指の感動回ではないだろうか。翻って、やはり取り入れられた廃校問題は最後にメンバー加入する恋のエピソードで顔を出すが、新設校なのに廃校危機??という不可解な状況が生み出されており、設定の甘さからどこか興醒めしてしまった。