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デート・ア・ライブIVの都部のレビュー・感想・評価

デート・ア・ライブIV(2022年製作のアニメ)
3.7
約三年振りのアニメ化となる本作は、現代的にアップグレードされた高水準の作画と戦闘を彩る演出の数々により前3シーズンを踏まえた上での作品としての完成度の向上が見られる中、物語も佳境も迎えて満足度の高いシーズンとなっている。戦闘の迫力という点で大いに不満があった本シリーズだが六喰を巡る大気圏外での精霊/艦隊のシークエンスは目を見張るそれで、また新たに加わる二人の精霊と長らく不動の駒として存在していた時崎狂三の物語の解決へと乗り出す構成も密度十分でシリーズとして最高値を更新するものとなっている。

二亜──『精霊はどのように生まれるのか?』という疑問を明確化させるエピソードであると同時に、思えば存在していなかった歳上のヒロインの登場回でこれまでとは異なるアプローチが見られたので良し。商業作家とコミックマーケットの売上で張り合うという展開は平成もっと言葉を選ばずに言えば一昔前のオタクを濃厚に感じさせるがまあまあ。

六喰──『精霊の記憶は如何ほど残るのか?』。宇宙に出現した精霊を巡るエピソードはやがて世界の改変を齎し、前シーズンからスケールの大きさは拡大する一方だがその着地点に位置する決別の意思の現れは地に足の着いたもので程よく纏まっている印象。やや特殊なヒロインなので出番を終えると扱いが宙に浮く本作の性質と相性は悪そうだが。

狂三──時崎狂三は本シリーズで最大の人気を誇る精霊だが、その人気に相応しい情動的な展開が用意されたエピソード群で満足は勝ち取るだけの面白さは保証されていた。士道が死んだパターンの散々たる光景をもう少し細部まで見たかった気持ちもあるが、基本的には狂三との再交流を趣きとしており、前回同様のデートコースでの攻略という展開も嫌いではない。物語としてのオチは付かず、今回は明確にクリフハンガーとして次期に続くと持ち越されたがはたして。
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