一本の映画を観たような質感、それでいて13話あるからこそ周りにいる多くの人の感情も描かれた、良い作品でした。
普通の女の子が世界最強の兵器になる。
その葛藤や自分が人間でなくなることの怖さと、自身の心がまだ人間であると思いたくて恋を求める感情がとても切ないです。
だけど、視聴者として傍観していると、段々その切なさに慣れて、彼女の境遇が普通のことのように感じてしまいます。
私はその感覚が、現実の遠い地の震災や戦争を見るときでも同じように慣れてしまいそうで、結構怖いなと思います。
最近はキャラクターってどう作るのだろうか、という目線でアニメを観ていることが多いです。
この作品はすごく見せ方が上手いなと感じました。
特にちせは、元の性格がドジでのろまで、口癖がごめんなさいだったりします。
そんなところに〈普通の女の子〉を感じますし、そういう性格だからこそ、本作の見せ場でもある葛藤にも強く共感できました。
個人的な好みでは、主人公がもう少し兵器の彼女を受け入れられる性格だと良かった気もします。
まじか……と思いながらも、ちゃんと彼女の女心を満たしてイチャイチャしてほしかった笑
そういう点で見ると、軍の人たちは兵器として悪用し尽くすというスタンスが少なかったのは良かったです。
彼女が利用し尽くされていたら、本当に救いがありませんから……
気になるのはアケミやふゆみがどういう役割だったのかです。
ただ、メインヒロインを引き立てるための物で、小さなクライマックスを作る装置だったのでしょうか。
なんとなく、それ以上のメッセージ性を感じたのですが、今一つ読み解くことができませんでした。
もう一度観ることがあれば、彼女たちに注目したいですね。
よくある「私達みんなの選択が地球を壊した」という理論がわかりません。
もしも地球が人類の影響で滅びるのなら、社会の流れを決定している、歴代の国や大企業の課長職以上の人間にのみ責任があると思います。
みんなで選択していることなんて、民主主義国家ですら、その国の与党をどこにするかだけですよね。