しゅうへい

最終兵器彼女のしゅうへいのネタバレレビュー・内容・結末

最終兵器彼女(2002年製作のアニメ)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

THE LAST LOVE SONG ON THIS LITTLE PLANET.
「この星で一番最後のラブストーリー。」

高校生のシュウジには付き合って間もない彼女ちせがいた。お互い初めての恋人で悶々とした日々を過ごしていた。そんなある日、シュウジは買い物中に謎の戦闘機からの空爆を受け、瓦礫に埋もれた街で友達と散り散りに…。戦火から逃げるシュウジが見たのは、腕を巨大な武器に変え、背から鋼鉄の羽根を生やし敵と戦うちせの姿だった。

世界規模の大変動が発生しそれにともなう大混乱が起きている世界。安住の地を求めて侵略を目論む謎の敵から攻撃を受けている日本が舞台。主人公達の暮らす北海道も例外ではなかった。その対抗策として少女は自衛隊に捕まり身体を兵器に改造される。普段は高校で青春を謳歌しながらも有事の際は最終兵器として敵を討つ彼女とそれに寄り添うシュウジの葛藤を描いた「セカイ系」SF作品。

「シュウちゃん、ごめんね」
「アホ、謝るなって」

少女が自分を犠牲にすれば多くの命が救われる…兵器に選ばれたのは“たまたま”兵器が馴染む体質を持っていただけ。普通のことをして普通の暮らしをしたい普通の女の子、彼氏のことが大好きな女の子、それなのに…。シュウジはただその事実を受け入れ寄り添うだけしかできない。兵器としての彼女が成長を続け、戦わないと生きられない身体に…何度も離れて何度も結びついて、2人の穏やかな日常が観られるだけで救われる。たとえそれが限られた短い時間であっても。人じゃなくなっても変わらない愛。紆余曲折あってもこれが多分純愛。

何これ…どんな感情で観ればいいの。悪い意味ではなく作者はどういう神経してるの。天災と戦争と兵器と化した少女、どうしてこんな残酷で切ない話が書けるの。こんなの泣くに決まってるじゃん。ちせが呼ぶ囁く叫ぶ「シュウちゃん」に胸が張り裂けそうになる。主人公の名前がシュウジとはいえ「シュウちゃん」って俺どうすればいいの。
しゅうへい

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