ハイジ

ジョジョの奇妙な冒険 黄金の風のハイジのレビュー・感想・評価

4.5
あなた…(長文を)覚悟してきてる人、ですよね?

次はイタリア?3部4部で THE・ジョジョ ってパートは見切っちゃったかな〜🥴…みたいな気持ちで見始めたけど、なんやかんや全部同じくらい大好き…ディ・モールト・ベネ!!!

主人公がDIOの息子?!と驚いたけど、正直そこまで物語に関係あるとは感じられなかったな。承太郎が仗助通り越して康一くんに直に連絡取ってるのは笑った。4部の頃からなんかネッチョリしてたもんね…
ブチャラティは汗を舐める場面しか知らなかったけど、結構早々にジョルノと合流するんだね。街の人に声をかけられてたり、人望あるリーダーということがわかるシーンが多くてよかった。
暗殺チームのキャラをよく理解できるシーンも多くて◎。特に、ベネチアへ向かう列車内でのブチャラティvsプロシュート兄貴&ペッシ戦は個人的ジョジョのベストバウト!

物語としてはやはり、ボスを裏切った後半からがすごくのめり込んで見られた。
OPが「裏切り者のレクイエム」に変わり、歌詞の「神(悪魔)に背くと決めた」が話が進むごとに心に沁みること…
まずはアバッキオについて。
彼は名前が「獅子」かと思いきや「子羊」だったり、作者が死に方まで完璧に練って出したキャラだなぁと思うのだけど、見事に策にはまってしまった。アバッキオの心の中には警察をやめて人生を捨てたという禍根が残っていて、その弱さを隠して生きていた。でも彼自身のスタンド能力が表現しているように、彼の精神の底にはずっと「真実に向かおうとする意志」があったんだよね。
あの同僚との会話で、最期にアバッキオは夢を諦めてしまった心残りからも、過去の呪縛からも解放されたのだなと感じられて泣けた。
そしてブチャラティ…(涙)
汗舐めるシーンと不思議な髪型以外悪いところがない男。正直、主人公より主人公。
前作でジョセフが言ってた「黄金の精神」を今作で一番持っているキャラだと思う。過去から現在まで、一貫して他人の利益を行動原理としているところに彼が組織からも街の市民からも信頼される所以がわかる。ギャングをやるには心根が優しすぎる…
途中から彼の最期が予測できるのが本当に辛くてアニメ見るのやめようかと思ったくらいだった。コロッセオに向かう車の中でジョルノに「黙っててくれるな、皆には…」と語るシーンが悲しいのにどこか満足げで、5部で一番胸を打たれた。ここでも泣いた。

エピローグの『眠れる奴隷』について。
運命は人生の主人であり、人間はそれに従うのみ。でもそんな中で、何かをきっかけにその眠りから覚める者(5部ならジョルノたち)がいて、彼らは運命を変えられはしないが自身の正義のために運命に立ち向かう。その意思が波及して新たな「眠りから目覚める奴隷」を導く…私はそう解釈した。
ブチャラティは死の運命から逃れられなかったけれど、ジョルノやアバッキオなど彼によって目覚めさせられた奴隷たちが正義のために闘ったし、これからも闘うんだと思う。
この自らの正義のために闘うという決意こそが、「黄金の精神」なんじゃないだろうか?
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