不条理CGアニメの代名詞的な作品。
不条理CGアニメというジャンルが存在するのかどうかは知らんが。
台詞皆無。音楽とキャラの動きのみで全てを表現する。演出といい尺といいサイレント映画を彷彿とさせる。
特にシニカルで風刺的なテーマを作品に盛り込んだチャップリンが成し得なかったことを現代の技術で可能にしている。
当時の荒々しいグラフィックと場面とキャラの心情に合わせて起伏する音楽が、見るもの全てを飲み込む魔の5分間。
ポピーやケダモノといった個性的で最小限なキャラクターが簡素化された景色の中で繰り広げるシュールな展開は、今となっては残虐すぎて難しいだろう。
ポピーが串刺しになる場面は自分のトラウマ辞典に新たな1ページを刻むこととなった。
はんぶんこされたケダモノの上半身を、
切り刻まれて分裂したポピーが取り囲んで踊るシーンはミッドサマーにも似た狂気を感じた。