センカン

ヒーラー・ガールのセンカンのレビュー・感想・評価

ヒーラー・ガール(2022年製作のアニメ)
3.9
ミュージカルヒーリングという新ジャンル

終わるのが惜しまれる…、ずっと観てたい作品でした。音声医学で新しい医療に取り組む少女達の成長物語、悩み壁にぶつかりながら前に進み続ける女の子達のストーリーは王道で良い。
そしてストーリーを彩るミュージカルの要素が毎話楽しみで飽きが来ない。毎回初めて聴くはずの曲なのにどこかワクワクする感じがあって堪らないですね。
この歌の要素を支えてるのがそれぞれのキャラの歌唱力、完全に歌特化で声優選んでますね。凄いハイレベル。ただ上手いだけじゃ無くて、ミュージカルに必要な喜怒哀楽のベクトルを曲ごとに使い分けられる器用さを兼ね備えてる。
作品のコンセプトを捉えてブレずに力を入れ、的確に表現出来ている所が凄く高評価です。
最終話もそれぞれのストーリー、師匠の過去話、成長を遂げた描写が詰め込まれてて凄く良い話、でも個人的にはもう一話事件試練があって解決する流れが欲しかったかな。ジェットコースターの頂上付近で止められて終了でーす。って言われた気分でした。哀しい。

この作品で上手いと感じたのは3人のキャラ性、高質なプリキュア観てるくらいにバランスが良い。かなちゃんの圧倒的主人公性、玲美ちゃんのお嬢様ツッコミキャラ、響ちゃんの天然、でも変にキャラ要素に尖る事は無くて独自のキャラを確立してる。
かなちゃんはちょくちょく玲美ちゃんから弄られてて、怒りながらツッコむ様が良い。玲美ちゃんは冷静に見えて師匠が絡むと崩れる顔がギャップあって好き。響も天然に加えてお姉さんキャラのしっかり者の要素や隠れて悩みを抱えてる所、奥深くて良いですね。

そしてこれに加えてソニアちゃんという追加爆弾、この時期によくここまでロシア突っ込めたなと感嘆してしまいました。やはり文化は分けて考えてくれなきゃね。高慢キャラに加えてメシマズキャラ、患者さんのためなら何でもする姿勢、色んな要素が盛られつつ三人と良い関係を築けていて良かったです。髪下ろしたとこ可愛い、必見。

歌唱力の話をしましたが、彼女達が目指す師匠は当然そのハイレベルを超える頂点に居なきゃなわけで、そんな大役をやる高垣彩陽の存在感たるや。存分に音大声優の力を見せ付けてくれました。寝起きとか欠伸ついでにビブラート効かせるのはアドリブなのかな、うめぇ…

全然物足りないまま終わってしまったので続きが作られることを切に願います。

点数内訳
世界観:4
ストーリー:3.5
キャラ:4
音:4.5
映像:3.5
スコア:3.9
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