このレビューはネタバレを含みます
前半～中盤は非常に面白かったがラストが気色悪い。
一番がんばったニーナがラストガールではない。
業績も人間性も謎、ただ男を愛した事実だけが判明している偶像的な女が唐突にヒロイン面してラストガールの座におさまる（伏線はあるがかなり強引な展開）
優秀な二人の女性クルーのうち一人は孤独なまま生涯を終え、もう一人は裏切り者の魔女だとわかる。ニーナと同じくらいがんばっていたマックも死ぬ。
ルイスだけハッピーエンド。
ようするにルイスに象徴される醜い男モンスター救済の物語なのだろう。
しかし見た目云々の問題ではなく、ルイスは執着心が強くて前を向いて生きられない、現実の人間を愛せない。どちらの外見であれモンスターだ。その意味ではクローン愛好者のパティと大差ない。
だがパティはちゃんと異常者扱いされ悪魔的に描かれているのに、ルイスの願望だけが甘やかされ過ぎているように見える。ケイトは死者というより、やはり過度に理想化された「架空の女性」の象徴だろう。偶像でしかない。
惑星最初の男女カップル誕生の絵で終わらせたいなら普通にニーナとマックが結ばれれば対等かつ綺麗な絵面になるのに、なぜそうしないのだろう。
パティは暴力的なテロリストとして描かれているが、彼女の思想にも一理ある。惑星の生物にとっては大変ありがたい存在のはずだ。ところが移住計画が遂行されたらダメージを受けるはずの生命体が、なぜか移住推進派のクルーの味方をしたような表現になっている。そのへんもよくわからなかった。普通に考えれば惑星の生命体は彼らを救おうとしたパティの味方をするはずではないのか？もう少し説明が欲しかった。
