ウシュアイア

恋する小惑星のウシュアイアのレビュー・感想・評価

恋する小惑星(2020年製作のアニメ)
3.0
女子部員しかいない地学部の天文班の2人が未知の小惑星の発見にチャレンジするというお話。

少年少女の部活動やスポーツ・芸事を題材にした作品はいろいろあり、人それぞれ好みが分かれるところだが、2つの尺度を使って分類していくと自分に合う作品かどうかが見極められることを発見した。

1つの目尺度はストイック度(S)。スポーツ・芸事に向かう姿勢。

もう一つの尺度はワチャワチャ度(W)。ストイック度と相反する傾向もあるが、人間関係のベタベタ度。

でも、これってリーダーシップのPM理論とほとんど同じか。
もう一つ尺度として主人公のスペック(ハイスぺ天才か大器晩成か)も重要だがややこしくなるので、今回は触れない。

この作品は、小惑星発見という壮大な目標設定がなされているものの、活動の場は学校の都合で天文部と地質部が合併してできたばかりの地学部で、部の活動内容が設定上の都合からもどっちつかずになってしまい2つのグループの交流(バーベキューやら文化祭のイベント)がメインになってしまっているため、ストイック度は低めでワチャワチャ度が高いsW型の空気感。

活動内容のレベルは高くないものの、天文班と地質班が一緒に活動することにより、互いの活動内容には関連性があり、相乗効果が得られるという気づきもあり、異分野交流の相乗効果というメッセージは良かった。

主人公の活動の動機にしても友情に支配されており、その友情も恋愛感情とも取れる上に、周囲の人間関係も過度にベタベタしており、結局のところ百合要素アリのJKワチャワチャアニメの枠の中にとどまっていた。

あらすじを読むだけだと、大きな目標にチャレンジする「よりもい」に似ているようにも見えるが、「よりもい」はチャレンジを通じて結束していく話で、ストイック度が強く(S)、ワチャワチャ度がやや低め(w)のSwタイプなので、全然作風が違う。(「よりもい」の場合、報瀬以外南極に行く動機付けは弱かったものの、本気で打ち込めるものを見つけたい、とか、周囲を見返してやりたい、というエモーションが強かった。)

やはり自分はSwタイプの作品、『ブルーピリオド』や『ましろのおと』といった作品が好き。

対極のsWタイプにあるのは『氷菓』だと思う。『氷菓』が好きで百合要素ありが好きならばこの作品と相性がいいと思う。

ちなみに今まで観てきた作品のSWの尺度を5段階で表してみると(あくまで主観)、
『恋する小惑星』 S2W5
『宇宙よりも遠い場所』 S5W2
『氷菓』 S1W5
『映像研に手を出すな』 S5W1
『ブルーピリオド』S5W1
『ましろのおと』S4W2
『Free!』シリーズ S3W5
『ツルネ ―風舞高校弓道部―』 S3W4
『ベイビーステップ』 S5W1
『この音とまれ』 S3W4
『クロスゲーム』 S3W2

あくまでもストーリーの話で、総合満足度とは別。アニメは映像、キャラデザ、キャスティングという要素もある。
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