数多くの料理漫画に絶大な影響を与えた、原作無視のとんでもアニメ。
昨今、原作無視が問題となっていますが、このアニメはやりたい放題で大成功してしまった、非常に珍しい逆パターンの作品です。
ヒロインもオリキャラ、登場人物の関係性も全く違う、そもそも中盤くらいから原作要素0のシナリオが多く、最終章は完全オリジナルで原作のシナリオは完全無視。原作勢とアニメ勢で話が全く合わない作品です。
ですが、なぜかめちゃくちゃ面白い。
料理漫画なのに、王道バトル漫画を観ているかのような熱い展開が続き、手に汗握ります。
天才の主人公と対等に戦えるライバルとの戦いや共闘。序盤の敵が再登場して共闘する胸熱展開や、主人公サイドの味皇料理会の各部門の主任シェフ達の実力を垣間見るシーンなど、少年心を持っている人にはたまらないと思います。
そして、この作品を語る上で欠かせないのは、日本料理会のトップ、味皇です。
美味しんぼの、海原雄山のような立ち位置で、同じように料理人に厳しくダメ出しをしますが、海原雄山と違い、自分の為ではなく、日本の料理文化の発展に人生をかけている聖人君子です。どんな環境でも、どんな料理人でも公平にジャッジし、出された食べ物は絶対に食べる、日々、腕を磨き精進する料理人の味方です。
そんな人物ですが、原作とは大きく違う点があります。それは、リアクションです。
始めはアニメならではのカメラワークや、ドハでな演出程度ですが、途中から常軌を逸します。本当になんでもありなので、是非ネタバレ抜きでご覧下さい。
このリアクションが「焼き立て!!ジャパン」や「食戟のソーマ」などのオーバーリアクションの料理漫画に多大な影響を与えた元ネタです。
あと、原作では味皇は料理人としての描写がありますが、アニメでは料理しません。そもそも、原作ラストが味皇と主人公の戦いなのに、アニメ版は物語が全く違うので、本当に凄い人なのか不明です。
ですが、アニメ版には原作と違った良さがあり、物語として最高の〆で終わるので大好きです。
とにかく少年漫画のような熱いバトルを観たい人に超オススメです。私がアニオリを嫌いになれない要因が全て詰まっています。
最後に、オチを変えた10話だけは完全に原作を超えています。作中屈指の名シナリオです。あと、アニメ版は脇役の1人が超重要人物になっています。
作中最強レベルに変更され、終盤のシナリオでは、ほぼ主人公のような扱いです。私がこのアニメで1番大好きなキャラです。あまりにもカッコよすぎます。