スポーツに興味がないので、普段はスポーツアニメは好んで見ないのだが、本作はサッカー×デスゲーム(実際に死にはしないが形式として)という奇抜な設定に釣られて見てしまった。そして、非常に見て良かったと思っている。
とにかくこの作品は見せ場の作り方や、キャラクターの個性の引き出し方が抜群に上手い。それはひとえに、デスゲームの要素が単なる作者の閃きに留まらず、作中にしっかりと落とし込めているからだろう。
この作品の最大の魅力は主人公に特定の仲間が1人もいないこと。皆が等しくプロリーグの席を狙い、状況に応じて蹴落とし合うライバル同士であり、さっきまでの味方が敵に、敵が頼もしい味方になったりする関係性は、チームで結束することが不可欠のサッカーをテーマにした作品としては中々に新鮮だった。
ありふれたスポーツ作品なら、どんなに強い相手役として出てきても、一度勝ってしまえば活躍の機会はどうしても減ってしまう。しかしこの作品では一度戦った相手でも、チーム替えで仲間として参戦することがある。しかも、一度敵としての脅威度を見せつけられた上での参戦だ。視聴者としては熱くならないわけがない。
そして、中盤で分かる主人公の本当の才能。彼がそれに気付いた時、彼の持つ能力こそが、登場人物全てを最大限活躍させ、作品をより面白くさせる最高の潤滑油となる。
さあ、全国の才能の原石共よ!もっと争え!競い合え!今まで見たこともないような最高のエゴを見せてくれ!