ぜにげば

進撃の巨人 The Final Season Part 2のぜにげばのネタバレレビュー・内容・結末

進撃の巨人 The Final Season Part 2(2022年製作のアニメ)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

ダブルミーニング(トリプル以上の事も)やリフレイン、それら全てを把握して言語化するとしたら、それこそ進撃の巨人の連載期間と同じくらいの時間を要する気がする。

一生かけて噛み締める作品だと思う。

好きな作品を持ち上げるために他を落とすようなことはあってはならないと言うのは百も承知だが、はっきりいって格が違う。
具体的に他の作品が思いつくわけではないけど、色んな作品を見た上での肌感として、圧倒的に優れた作品であると言える。
一線を画している。


~OPについて~
只管にかっこいいな。
リンホラを待ち望んでる自分がいるけど、これならいいと思えた。
英語の歌詞だから海外のファンにもウケがいいし、単純にかっこいいし、“地ならし”の名に相応しい迫力、デスボイスもめっちゃいい。
世界観ドンピシャじゃん。
アニメの主題歌ってそのアニメが関係なかったりすることもあるけど、この歌は間違いなく進撃の巨人の主題歌だ。

~EDについて~
「世界は残酷だ」をサビの一発目に持ってくる度胸ったらないな。凄い。
それ単体だったら非常にチープなワードなのに、そうなってないのが実力を示している。
凄い人や作品には、いい意味で類は友を呼ぶが発動するんだな感じた。
感動…致し…ました…。(これ言うと煽ってるみたいになるけどそうじゃない。)


~トロッコ問題について~
トロッコ問題は分岐器に立っているという立場で、そのままにするならするで「成り行きに任せる」と筋は通っているし、分岐させれば「犠牲者数を減らした」と筋が通る。
ある種の逃げというか、精神的に責任を逃れる道筋が残っている。
その点進撃の巨人はそのまま行けば大切な人が滅び、それを阻止しようとすればそれ以外の全人類が滅びる。
しかも、分岐器の前に立たされているのではなく、エレン自身が電車なのが凄まじい。
何より、その人がどうしたかを描いていることが凄い。
問題は所詮問題。
世界で有名な“問題”をアップデートしている時点で、全人類が真正面からぶつかるべき作品だし、何より恐ろしいのがそれがこの物語の要素の一つでしかないということ。
勿論他にも凄い作品は沢山あるけどね。

てか、戦争を体験した人はこれに直面してるんだよね。
平和ボケしてるわ。


~巨人の顔に現実の人間の顔を当てはめていることについて~
最近知ったのだけれど、進撃の巨人の無垢の巨人などに現実の人間の顔があてはめられてて、それを不適切だとする声もあるとかないとか。
確かにクレイジーだよなぁ笑
進撃の巨人で描かれていることについてキャパオーバーで、でもその人はいい人だから慎重で、そういうギャグはダメだと思うことしか出来ないんだろうな。
可哀想でバカだけど悪い人じゃないと思う。


~メモ~(追記するかも)
・何故ジークはマーレに安楽死計画を言わなかったのか→マーレにとって巨人化できるエルディア人は戦力として重要だから
・当時のフリッツ王が不戦の契りを結んだように、ジークも不戦の契りを無力化した(あっさり言うから脳が追いつかない)
・正解は分からない運命は分からないって言われた直後にヒストリアに口付けして運命を知る皮肉
・ジークとエレンが態々壁内で座標を発動させたのは、大陸でだと真っ先に殺されるから。



~最後に~
前期は少し不満があったけど、今回はなかったな。
慣れもあるのかもしれないけれど、単純に作画とかも良くなってる気がしてきた。
難解だからすごく労力を要したけど、そういう作品が1番楽しいかもな。

ハンターハンターの制約と誓約しかり、トレードオフが徹底されている作品はやっぱり面白いよな。
あとは容赦の無さとかも重要。

もし進撃の巨人の弱点を無理やりひとつ挙げるとするなら、物語終盤まで読んでるにもかかわらず一歩引いて見れないような人が友達にいた場合、その友達に対して「うわぁまじかぁ…」と思ってしまい今まで通りの関係でいられなくなる可能性があることだろう。
マルチ商法とか、疑似科学とか、カルト宗教とかに親友が傾倒した時のような、なんとも言えない喪失感に襲われる事だろう。
まぁそんな経験はした事ないけどTwitterでならそういう言い合いをしてる人を見たことがある。
友達を選ぶ必要に迫られる残酷な作品なのかもしれない。




2022/04/20 追記
ちらっとWITの作画見直したけどミカサとクリスタがあまりにも可愛すぎてまじでドキドキした。
MAPPAに慣れてから見ると危険だからみんな気をつけるように。
ぜにげば

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