ルマンド公爵

進撃の巨人 The Final Season 完結編(後編)のルマンド公爵のレビュー・感想・評価

4.5
最終章

個人的に何もかもすべて決まっているという世界観は好きではないが辻褄があい、多くの伏線が回収される。

また最終章ということで作者の伝えたいことが一番詰まっている所だろう。結局諫山創は何を伝えたかったのか。もちろんこれは受け取ったすべての人、すべての受け取り方がある。

cf.完結編の前編だがハンジの最期、アルミンを第15代調査兵団団長に任命した時のセリフ
「理解することを諦めない姿勢」
そしてアルミンとエレンの最期の会話。エレンが8割の人類を殺戮したと述べた後のアルミンのセリフ
「いつか いつの日か きっと分かり合える日が来る」

このアルミンのセリフは原作にはない。原作はアルミンが
「僕たちのために殺戮者になってくれてありがとう」
のみだ。

そして原作ではエレンのみに罪を背負わせた感じになっているがアニメではアルミンがエレンに外の世界(幻想)を見せたことによりこの惨状が引き起こったと自分の罪も認めている。

原作ではアルミンが殺戮したことを肯定したと海外では炎上したらしい。

cf.Final season part2 ED 『悪魔の子』
「この言葉も訳されれば本当の意味は伝わらない」

言語や文化が違うことで受け取り方が変わり炎上、ある意味争いが起きたのである。進撃の巨人がそれを伝えたにもかかわらず。この炎上までがセットだと感じた。悪魔の子の歌詞も伏線である。ただ先程のハンジとアルミンのセリフを思い出して欲しい。確かに本当の意味が伝わらず理解が出来ずこれからも戦争や争いは続くのだろう。しかし「理解することを諦めない姿勢」をすべての人が持ち続けたら「いつか いつの日か 分かり合える日が来る」のかもしれない。

この世界は残酷だ。それでも人を愛し生き続ける。その日が訪れるまで