プランクトンはやめてよね

進撃の巨人 The Final Season 完結編(後編)のプランクトンはやめてよねのネタバレレビュー・内容・結末

5.0

このレビューはネタバレを含みます

巨人がいないだけで、同じような地獄みたいな歴史を現実の人類も歩んできたし、歩んでいるし、もしかしたらこれから先も歩んでいくかもしれない。

「エレン、確かにこの戦いは終わりが見えないし、僕たちが体験した地獄は何度も何度も繰り返されたよ……きっと。それでも、いつか……いつの日かきっと分かり合えるって、そんなささやかな願いさえ、もう誰も信じない……! 残された教訓は “殺すか殺されるか” それだけだよ。全ては僕たちの為にやったっていうのか……」
エレンの行動がその後に及ぼす影響は計り知れない。アルミンの言うように、そういう教訓が残りの人類に残されるのは想像に難く無い。
でもエレンの選択だけでこのような結果になったわけじゃない。

ヒストリアの(いい匂いのする)手紙にはこう綴られていた。
「巨人がいなくなっても争いはなくならない。 エレンは知る限りの未来を私に伝えました。 それ以上先の未来を見ることが出来なくても、 この未来だけは鮮明に見ることが出来ました。 きっと、この結果はエレンだけの選択ではありません。 私たちの選択のもたらした結果がこの世界なのです。 私たちは戦わなければなりません。 これ以上戦わないために。」

正義とはなんなのか、そんなことわからない。この作品で散々思い知らされた。
わからないけど、巨人に生きたまま食われるのなんて嫌だ。サシャみたいに美味いものをバクバク食いたい。大切な人が苦しむ姿なんて見たくない。ヒストリアと結婚したい。
その心に従うことが、自由ってことなんじゃないだろうか。

恨みや隠し事に塗れた歴史も、未だ無くならない戦争も、全部ひっくるめて自由な未来への通過点だと信じている。104期のみんながいなくなった後の世界を私たちはどう生きるのか。
地獄の先の世界を見られるのは、進み続けた者だけだ。

“進撃の巨人”に、心臓を捧げよ!!!!