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平家物語のシエンのレビュー・感想・評価

平家物語(2021年製作のアニメ)
4.3
【第一話】
第一話見たので、とりあえず感想を。
もう映画見てる気分でした。
毎週1話ずつというのが待ち遠しすぎます。
静かに始まった1話でしたが、予告であったような雰囲気にこれからなっていくのだと思うと、たまらなく切ない。
祇園精舎の鐘の声〜から始まる冒頭は、鳥肌立ちました。
可愛らしい絵なのに、恐ろしくかっこいい。
【第二話】
二話見ました。
歴史を追いつつ、山田監督自身からの言葉・メッセージなんじゃないかと思われるセリフがはさまれる感じでしたね。
どうやらアニメ平家物語は各話で盛り上げるとこを作るのではなく、段々と物語が動いていき後半になるほど激しくなっていくという感じなのかなと思ったりしました。
一本の映画を細切れに見てる感覚です。
【第三話】
三話見ました。
いよいよ源氏の影がちらつき始めましたね。
さまざま人物が登場して時の流れが早いので、ちょっと混乱するとこもありましたが、大筋を抑えとけばOKかなと思います。
ようするに平家が調子に乗りすぎたということなんでしょう。
山田尚子監督だなという目立った演出シーンはあんまりなかったですが、この三話でグッと引き込まれる場面が出てきたように思います。
う〜ん、原作読んだほうがもっと話の解像度上がるかな。
【第四話】
四話見ました。
祈り、夢、病、亡霊、怨念そんな"見えないもの"が、色濃く描かれていました。
史実ではどうなのか分かりませんが、重盛はほんと真面目な性格だったんだろうなと思います。
平安末期だと、まだ今でいうスピリチュアルなものを信じきっている人が多かった時代なんでしょう。
四話は、かなり幻想的になってましたね。
【第五話】
合戦シーンよりも徳子のシーンが強調されたように思えた第五話でした。
戦闘シーンをメインにかっこよく描くのではなく、あくまで徳子など平家の者たちの滅びに「びわ」が寄り添っていく物語になりそう。
【第六話】
平清盛がどういう思いで戦ってきたのか分かる第六話でした。
源頼朝がおとぼけキャラになってましたね。
コミカルさが目立ってました。
【第七話】
平清盛が亡くなり、いよいよ平家滅亡が加速していきそう。
そんななか、徳子の覚悟と信念の力強さが響いてきた第七話。
そして、びわがラストああいう状況になったということは、今後物語はどう描かれるのか気になるところ。
【第八話】
木曾義仲が大活躍。
かなり野生なキャラになってましたね。アニメらしさが一気に上がった感じ。
徳子がキリッとしていて、もう平家のリーダーになりそうなたたずまいでした。
そしてなんといってもラスト!
びわが平家を去ってどうなるのかと思いましたが、もしかしたら今後かなりオリジナルな展開がびわ中心に描かれるのかもしれません。楽しみ!
【第九話】
源義経が登場。むちゃくちゃかっこいいキャラになってましたね。
未来が見える目を持っていても、なにもすることができないびわは、祈り語り継ぐことを心に決めます。
時代の大きな流れには抗えない。
そんななかびわは祈りを捧げることを選んだわけです。
【第十話】
タイトルが「壇ノ浦」
もう壇ノ浦なのかというのが正直なところ。やはりアニメ平家物語は全十二話となりそうです。
絵は京アニとはまた違うシンプルさだけれど、表現は細やか。
このクオリティで、しかも大作平家物語となると、どうしても全十二話ほどだと物足りなさが出てきてしまうかもしれません。
びわをからめたオリジナルストーリーが増えて5期分ぐらいで、「リズと青い鳥」レベルの濃密な平家物語も見てみたかったかななんて思ったりします。
【第十一話】
最終話。終わってしまった。
やっぱり物足りない!全十一話じゃ平家物語の全てを、山田尚子監督ならではのあの濃密な雰囲気で出しにくかったのではないかと思ってしまいました。
ところどころグッと胸に迫るシーンがあって、クオリティもすごく高くて良かったんですが。
第一弾の予告動画にあったような雰囲気が前面に出て欲しかったななんて思ったりします。
最初からもう一度見直してみるかも。そうすれば、なにかしら気づきがあって、より深みが増すかもしれません。

ということでアニメ平家物語全話見終えました。
地上波で放映されると、どういう評判になるのか楽しみですね。

そして気が早いですが、山田尚子監督の次回作(きっと創ってくださるはず)を楽しみにしたいです。
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