祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり…
『平家物語』は単なる歴史上の出来事としか捉えていませんでした。そして、なぜか冒頭を暗唱させられるということ。
でも、こうしてアニメとなって命が吹き込まれると、愛憎渦巻く人間ドラマだったと気づきました。
平家一族の立場になって話が進むから、歴史上では悪役と知られる人々を一人の人間として見ることができたし、事実を歪めなくても一人一人に寄り添って見るとこんなにも見方が変わるものなのかと驚いた。
誰もが知っている結末なのに最後の最後までドキドキして見ました。
このアニメはただ平家物語をなぞったお話ではなく"びわ"という「未来が見える」少女が登場する。
このびわの立ち位置が絶妙で、平家物語の話を崩すことなく視聴者と同じ立場に立っている。
そして、この物語におけるびわの役割が明かされるとき、もし私たちが自分の大切な人をなくしたらどう向き合い何をすれば良いのかを教えてくれた。
本当に美しいアニメでした……
自然の移り変わりを通して描かれる人の生と死がとても美しく印象的。ぜひ演出と美術にも注目してほしいです。
最終回のあとはきっと平家物語の冒頭部分も全く違って聞こえるはず。
何回だって言うよ、
世界は美しいよ
君がそれを諦めないからだよ
