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平家物語のことはのレビュー・感想・評価

平家物語(2021年製作のアニメ)
4.0
「びわ」というキャラクターは歴史の完全なる傍観者でありながら、同時に最も平家一族の側に寄り添ったキャラクターだった。私達視聴者はびわに感情移入することで、平家の人々と同じ人と人として繋がることができたと思う。初めて平家一族を「栄枯盛衰の果てに滅んだ可哀想な一族」ではなく、「時代の大きな流れの中でもがき、苦しみながらも自分自身の生き様を探したひとりひとりの人間たち」だったのだと気付くことができた。オープニング曲の「最終回のストーリーは初めから決まっていたとしても、『今』だけはここにあるよ」というフレーズに全てが集約されているが、日本人のいつかは滅びると分かっているものに惹かれてしまう感覚、「無常観」のど真ん中に突き刺さるのが平家物語だと思う。けれど、いつかは滅びるというのは平家だけでなく、すべての物事に言える。私達は平家物語という最も有名で普遍的な栄枯盛衰の物語を通して、いつかは滅びる自分が『今』をどう生きるか問い掛けられているのかもしれない。
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