とてつもなく惹き込まれた作品。
長い｢平家物語｣という作品を
美しく、儚く、それぞれの登場人物の心情にフォーカスしながら
アニメーションとして描き上げているところが素晴らしかった。
"平家は滅びる"という事実を知っているからこそ
彼らが辿る運命を見ながら
ただ祈り、彼らの行く末を見守り続けることしか出来ない。
あの時、彼らが感じていた幸せな時間が
徐々に蝕まれていく様子を見て
涙が止まらなくなった。
栄華を極めていた時間から徐々に勢力は衰えていき、
そんな中でも、もがき苦しみながら
必死にそこに立ち続けようとする姿に心打たれた。
平家の名と共に命を絶つもの、
全てを失っても強く生きようとするもの、
皆それぞれが美しく、儚い。
歴史を知ろうとする中で"死"は必ずあるものだけど、
それぞれが様々な想いを抱きながらこの世を去っていく様子を見ると
やはり辛く、涙無しでは見れない。
歴史上の人物と聞くと
なんとなく自分とはかけ離れた次元にいるような気がしていたけど、
こうして見てみると、私たちと何も変わらず
ただその時代を勇ましく生きていた人々であった。
実際の平家がどんな人々だったのかは分からないけど、
きっと自分たちと同じように
誰かを愛し、誰かを想い立ち上がれる
そんな人達だったんだろうな。
あと何十回でも見たい作品。
結末を知っていながらも、後半は涙なしでは見れなかった。
物語になぞらえている羊文学の歌詞も、
OPに描かれる平家の人々の姿も、
何回見てもグッとくるものがあって
本当に何もかもが素敵すぎました。
「望まぬ運命が不幸とは限らない」
