初回、第2回辺りまではヒロインがバインバインのブルンブルンのギャル⤴︎でありながら有り得ないレベルで脇ガバガバな無自覚お色気痴女プレイで童貞高校生の被虐心を悪戯に刺激しまくる展開ばかりでななななんでわたしはこんなエロゲー堂々とテレビ画面で観てんだっけと若干変なたじろぎ方をしながらも、それ以降ほんのり悪戯染みた不純さと至純の青春が一つの作品の中にかくも当たり前に奇跡のバランスで同居するのかと徐々に虜になり、何より作画良し、キャラの魅力も粒立っており、特に最初からメチャクチャいい子なんだけどデレコースに入ってからの海夢が可愛すぎて、第8話の海のシークエンスなんてってかここだけでもたまんなく良いんですけど!なにこれサイコーかよ!まりんちゃんぐうかわ(激死語)!などと字面以外では滅多な事ではお目にかかれないテンションの言葉の会話実践も相まってもう。にしても「たゃ」ってこういう発音なのね...。
切っ掛けはコスプレから転がっていくお話だが、それだけに収まらず寧ろ凡ゆるカルチャーに対する愛情とリスペクトを込めた熱い作品だった。コスプレ侮る勿れ、人が一つの道を極めるという情熱に貴賤などあってたまるものか。
他人の大切にする世界に対して迷う事なく飛び込み、偏見なく、何の引っかかりも無く、その他人と同じレベルの熱量を持って愛することが出来る五条の凄み。本来それは理想的だがなかなか容易に実践出来るものではない。何故なら世界は凡ゆる偏見で満ちているからだ。例えかつてある作品に対して、カルチャーに対して異常な程に深い愛を抱いたことがある人でも、大概は中学生にもなれば周囲を見廻して同調を選び、偏見を恐れて心の蓋をそっと閉じてしまうもの。ここでの海夢や紗寿叶は、IFの世界でその通過儀礼を経なかった私たちかも知れない。特に海夢は残酷な世界の偏見を全くものともせず堂々と立っていた。その姿勢が弱き私たちには何より眩しいのだ。