ウシュアイア

リーマンズクラブのウシュアイアのレビュー・感想・評価

リーマンズクラブ(2022年製作のアニメ)
3.6
実業団バドミントンクラブを舞台にしたTVアニメオリジナル作品。

高校時代にインターハイにも出場し、名門実業団バドミントンチームで活動していた白鳥尊(しらとりみこと)は成績不振からクビを宣告されたところ、弱小チームの飲料メーカー・サンライトビバレッジのバドミントン部に移籍することになり、それまでバドミントンに専念できた環境から、飲料メーカーの営業部員として二足の草鞋を履きつつ、練習環境も不十分な中、破天荒な営業部員でバドミントン部キャプテンの宮澄建(みやずみ たつる)らとともに再起をはかるというお話。


野球やサッカーといったプロがあるスポーツを除くと、オリンピックなどで活躍するスポーツ選手は実業団所属が多いものの、実業団スポーツクラブの実態は知られているとは言い難く、そこにスポットを当てた作品として興味深い。

全体的な印象しては、実業団のアスリートとはいえ、登場人物の試合会場でのやり取りなどは中高生レベルの煽りだったり、悩みも仕事との両立といったことよりも学生からのトラウマや兄弟コンプレックスばかりで、会社のシーンがなければ中高生の主人公の作品とほとんど変わらない印象だった。唯一、妻子持ちで家庭のためにバドミントンへの情熱を封印していた碓山くらいが実業団の選手らしく感じられた。

実業団を舞台に挫折からの再起、という大筋は悪くないものの、もう少し登場人物の精神年齢を上げて社会人アスリートならでは葛藤などにフォーカスしていればもっと良い作品に仕上がっていた気がする。

アニメーションは同じくバドミントンを扱った「ラブオールプレー」よりも臨場感やシャトルの速度感がうまく表現されていた。それだけに惜しい作品。
ウシュアイア

ウシュアイア