アイドルアニメが世に出尽くしたこのご時世において、ここまで王道のアイドル物は逆に珍しい。
そういう意味でとても面白い、興味深い作品だった。が、「好き」かどうかで言うとそうでもないまた不思議な感覚になるものだった。
まず最初に目を引かれたのは動きの良さ。ライブの演出自体は、基本的に地下アイドルというところもありそこまで見所になるほどではないが、とにかく絵がすごくよく動く。それはもうCGとの境界が分からないほどのクオリティで恐れ入る。
そしていわゆるアイドルものらしい「輝き」というものを、そのキャラが持つ虚飾や暗部として視覚的に表現するのが斬新で興味深い。それによって個別の売りを発見していくようなワクワクする面白さに捻りが効いて見応えがある。
ただアイドル通が見抜く、普通の人には伝わりにくいすごさというものの掘り下げがもう少し欲しいような気はした。
あとキャラクターのキャラ感がリアルともデフォルメともつかないどっちつかずな様子でどうしても心を寄せにくかった。同じところ（アイドル）にオリジンを持つ目の輝きや憧れというのは良かった。
あとはもうちょい顔芸観たかったかな。
嘘であることが前提のアイドルが、本当の「アイドル」に真に肉薄する。
そこそこ見ごたえあったと思う。
