凄腕スパイの男〈黄昏〉が任務遂行のため正体を知らずにテレパスの少女を娘として、殺し屋の女を妻として迎え入れた偽装家族のホームコメディの第２クール。
秘密を抱えた者同士のすれ違いはコメディとして鉄板で、そこにウソから始まる家族の絆というほっこり要素が入っており、設定としてはほぼ鉄壁。第２クールは、序盤で未来予知能力をもつエスパー犬・ボンドをペットとして迎え入れ、黄昏に想いを寄せる女スパイ・夜帳など、ストーリー展開はまだまだ登場人物の紹介という段階。短い日常エピソードを二本立てにする回も目立ち、スパイの任務は遅々として進まない0.5~２話完結のコメディの要素を強く感じた。同じことの繰り返しなんだけど安定して面白い偉大なるマンネリの様相を見せ始めた。こうなってしまえば、原作もアニメの続編も安泰で、そんなこともあってか第3クールや劇場版の制作も決まったのだろう。
WIT STUDIOといえば、『進撃の巨人』のようなアクションに注目されがちだが、『王様ランキング』で見せた登場人物の表情の表現が本作でも光っていたような気がする。WIT STUDIOとClover Worksのアニメーション、古橋一浩監督の演出により原作からは分かりにくい感情の機微の表現が引き出され、物語の理解は深まった感がある。
アーニャ役の種崎さんはもちろん、ダミアン役の藤原夏海さんのお芝居はやはりうまい。
