このレビューはネタバレを含みます
THE、遅効性SF。
【ワールドトリガー】以上に
序盤の古臭さと畳み掛ける画面の地味さのおかげで
歴戦のアニメオタクでも
「この作品には未来がないです!」って
抜群のスピードで決断下せるレベルの、
とてつもなく微妙なオーラ放ってて
それはそれはキツい序盤。
しかし
ふと、しみじみとした感情ぎ芽生え始める中盤。
その芽が花開き、
いつのまにかエンディングテーマが始まると同時に
感嘆のため息が溢れ始める後半。
そして歯の治療中と同じように、
その身をただただ預けるだけになっていく終盤。
「プラネテス」で連想ゲームしても
「愛」「名作」「課長ぉっ!」の3単語しか
浮かばなくなる鑑賞後。
とりあえず序盤を乗り越えて良かったなってのが
感想の8割ぐらいを占めてます。
そのぐらい序盤のしんどさったら無い。
ただ、高く飛ぶのには長い助走が必要なように、
おもんない序盤に慣れることで
中盤からの面白さの体感指数が跳ね上がり、
それこそ宇宙のように広大でいて
考えさせられるスケールの大きな場所にまで
連れてってもらえる。
タナベの「愛」の連発には辟易していたけど、
なんだかんだ終わり頃には
「愛」に納得させられそうになってる自分がいて、
これが「愛」ってやつなのか…って思いました。
そう。これが「愛」ですね、「愛」。
この作品においての
「愛」って言葉だけで表現されてる単語の数、
広辞苑の【あ】〜【へ】ぐらいありそうな勢い。
「愛」って彫られてるハンマーで
優しく頭をぶん殴られてるような感覚。
マジ「愛」なんだよな。。
本筋がそこまで繋がってない系の1話完結ものって
個人的になかなかハマらないんですが、
今作は1話ごとのクオリティの高さが
スカイツリーをゆうに超えてるので
面白くないわけがなかった。
とにかくストーリーが簡潔でいて
キャラが良くて、演出が素晴らしい。
「泣いちゃう!」とかじゃなくて、
文字通りの「しみじみ」を与えてくれる。
余韻という余韻が、おれのハート目掛けて
勢いよくブッ刺さりにくるので、
80年前からタイムスリップしてきたみたいな
あの独特なエンディングを前にしても
身動きが取れず、
早送りもせずに毎週しっかり聞いてたら、
なんだよこの歌最高かよ…ってなった。
あの歌、ホントに最高なんだよ。
テンテンッ ツテンっ、テンテンッ♪っていう
イントロが堪らなくなってくるから…。
とにかくこの作品が薬だったら
効き目遅すぎて最悪なんですが、
この作品は薬じゃなくて
最高の意味で"眠気"なので、
ゆっくり身を任せることで
次第にとんでもない心地よさに包まれていく、
その感覚を噛み締め、じっくり味わうのが乙です。
【プラネテス】の
溢れんばかりの包容力に抱かれて眠る……。
ありがとうございました。