かなり好きなテイストで、とても面白かったです。表向きのジャンルはスタイリッシュなSFサスペンスだけれど、扱うテーマは愛や絆といったものであり心に響く話が多数でした。雰囲気が良いだけの見かけ倒しではなく、脚本がうまい作品。今期のダークホース枠でしょう。
よかった点を大まかにまとめると……
①キャラクターデザインが良い
②作画が美麗(新海誠リスペクト)
③音楽がオシャレ
④大体1〜2話完結のストーリーがそれぞれ面白い(ヒューマンドラマが良き)
⑤毎回次の話への引きが見事
①…韓国のイラストレーターさんがキャラクターデザイン原案だそうですが、主役3人とも今風な雰囲気で素敵ですよねえ。特にリンが衣装含めて好みドンピシャでした。
②…リ・ハオリン監督は新海誠のファンだと公言しているそう。どれほどかというと、新海誠作品制作で知られるコミックス・ウェーブ・フィルム(CWF)にオファーし、『詩季織々』(2018)を作ったほどです。その愛ゆえか、本作も背景美術などにどことなく新海作品っぽさを感じます。『君の名』の美術監督をした丹治匠氏(日本人)が本作の美術監督というのもあるでしょう。
③…音楽のオシャレさも印象的な本作ですが、これにも新海作品との関連が。RADWIMPS以前の新海誠作品に関わっていた天門氏(日本人)が参加しています。
最初、①〜③の雰囲気部分だけでもかなり良い作品だ思っていたら、内容も期待以上(④,⑤)で驚きでした。いま日本で放送されるアニメは1クールあたり60〜70本くらいあるわけですが、①〜⑤のバランスが揃う作品は数少ないと思います。雑なつくりの「日本アニメ」もありますからね……。今期視聴していた(続きもの除く)新作で、最新話の放送が待ち遠しかったアニメNo.1でした。
数少ない欠点として、セリフの間の悪さが時々気になります。おそらくそれは本作が中国語アニメだからで、日本語吹替えを観ているゆえ仕方ないのでしょう。しかしその欠点を補って余りあるほど面白さだと思います。現代中国が舞台という日本アニメではありえない設定なので、現代中国の社会状況が垣間見れたのも興味深かったです。(韓国の現代ドラマは多少観たことあっても、中国の現代ドラマは観たことないです)
2期は今年中に中国で配信予定なので、日本語版はおそらく来年以降……。中国産アニメをいち早く堪能するために、これからは中国語を学ぶ必要があるのかも。……趣味と実益で一石二鳥と喜ぶべきかな(笑)世界では3Dアニメが主流の中、中国では質の高いセルルックアニメが作られ、人気を得ているのは嬉しいことだと思います。日本と中国で切磋琢磨して、セルルックアニメ市場を盛り上げてほしいです。
ちなみに最終話、
地上波で観た方は配信で見直しましょう！最終話はフル尺で30分のため、放送版はカットが多かった気がします。
