彦次郎

名探偵コナン 1996年の彦次郎のレビュー・感想・評価

名探偵コナン 1996年(1996年製作のアニメ)
4.5
幼馴染の毛利蘭と遊園地に行った際に怪しげな黒づくめの男の取引現場を見た工藤新一はもう1人の男に毒薬を飲まされ身体が子どもに戻ってしまうことになるラブコメミステリーシリーズ。
シーズン1という事もあり本来の事件で黒の組織がでてくるところが別ジンだったり逆に原作だと登場しないエピソードに少年探偵団が出演(出番がかなり多い)したり話の順序が原作と異なる関係で麻酔銃の登場が異なる等、恐らくは打ち切りのための準備がされていた模様。その危惧に反し今(2024年8月現在)となっては国民的人気アニメ(もちろん漫画も)となっており隔世の感があります。まだキャラが安定しない部分もあり麻酔銃で眠らせたおっちゃんにポーズをとらせたりと逆に新鮮に感じました。
本作よりも先行した人気となったのは『金田一少年の事件簿』ですがアチラは先に実写ドラマで人気を博したもののアニメ化は後。つまりミステリーアニメとしては本作が嚆矢となります。で、成功した理由としては個人的に思うにワトソン役が探偵という斬新さ(しかも探偵が園子の時もありバリエーションがある)、連続殺人事件のような大掛かりなものもあればギャグのようなミニ事件が入り混じっていて話のマンネリ防止になっていること、黒の組織を追うという大目的があること、幼馴染とはいつも一緒だけど秘密を隠さなくてはいけないラブコメ要素があることが大きいとみています。特に少年探偵団という大人だけでなく子どもの目線でミステリーを紡いでいくのは江戸川乱歩(コナンの名字になった人)作の怪人二十面相以降に復活したもので全世代に訴求可能な作品になったものと解釈しております。
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