大好きなアニメが終わってしまった。本当によかった! いいところしかない! もともと原作の漫画が大好きで、主役のみつみ役が黒沢ともよの時点で勝利確定ではあったが、それにしたって大勝利すぎて最高だった。というか、もうOPの時点で優勝だったよな。あんなふたりだけの世界で踊ってたら、ただ俺たちは彼らの日々を見守るしかないし、須田景凪『メロウ』の歌詞がマジで志摩。もはや最近は志摩くんが歌ってるように聞こえるもんね。
全編に原作リスペクトの要素が散りばめられてるし、話の展開も丁寧に原作準拠なんだけど、数少ないオリジナル要素が本当に最高。解釈と解像度がすごい。アニメだから表現しやすい光と影の演出や、声が吹き込まれることで現実味が増すというか(掴みどころのない志摩くんとか特に)、だから余計に優しくて穏やかで繊細で壊れそうな情緒がズバズバきてクソデカ感情になってしまう。
石川県から都内の進学校に上京してきた真面目な主人公みつみは学年一のスマートで素敵な男子である志摩くんに出会う…という雑に説明すればこんな風なあらすじなんだけど、本作は真面目とかスマートみたいな"キャラ"だけでなく、いろんな良いところも悩みもあって。そんな一筋縄ではいかない関係性、自分と他人は違うものだし、考えがわからないことだってある、価値観が合わないことだってある。そういう多様な社会のなかで、どうコミュニケーションをとるのか、どう心を通わせるのかみたいな話を、すごいふっと軽やかに描いてるんですよね。
だから、みつみと志摩くんのガールミーツボーイ、ボーイミーツガールだけでなく、それぞれにそれぞれの想いがあるんだという群像劇としての強度がすごい。ほんとクラスメイトも生徒会もみんな最高だけど、俺たちは江頭ミカが大好きなんだ。そうだろ? 川嶋亜美が好きなひとはみんな江頭ミカも大好きだと思うんだよなァ。悪いひとはいないけど、負の側面や影や傷は誰しも抱えている。でもそんな抱いた弱さも、気づいた変化も、自分の一部だと認められたら。それぞれのいろんな想いが、きっと青春の1ページになる。大切なひとと過ごした、大切な場所になる。痛みも眩しさも全部優しくて最高のアニメでした!
あと、今回スキップとローファーにハマったひと、気になったひとは、たぶん絶対『となりの怪物くん』も好きになると思うんだよなァ。俺は隙あればとなりの怪物くんの話をする男……