このレビューはネタバレを含みます
王子様に憧れる余り、自分が王子様になろうと決意してしまった女の子、天上ウテナ。
鳳学園中等部のウテナはラブレターを掲示板に貼られた友達のために生徒会の西園寺に決闘を挑む。
その決闘は逆様に浮かぶ城の決闘広場で行われ、胸の薔薇を散らされた方が負けというルール。
木刀でディオスの剣に挑むウテナであったが、そのひたむきさで勝負に勝つ。
勝者は薔薇の花嫁と呼ばれる姫宮アンシーを手に入れることができる。
生徒会メンバーは世界の果てからの手紙が届き、永遠が手に入るとしてこのゲームに参加していた。
最初は意志を持たないアンシーであったが、無邪気なウテナは友達になろうとし、段々と2人の距離は近づいていった。
2人を取り巻く生徒会とのメンバーとの決闘、黒薔薇の会との決闘を経て、アンシーの兄、暁生の登場に王子様から現実の男を知り、少女から女性になっていくウテナ。
そしてウテナは決闘の勝者として世界の果てと対峙する。
小学生の頃に意味もわからず見ていたアニメ。当時は決闘の時の音楽が特に惹かれたし、ハマっていたが抽象的過ぎて全く理解が及ばなかった。
大人になってから4回ほど視聴したが、このアニメの何が凄いかって、どういう話であるか一言で言えない点だと思う。
監督の脚本の視聴者へのメッセージが多様である。
生徒会メンバー含め登場人物それぞれが悩みを持っており、それに焦点を当てていくため、色んな要素がかなり詰まっている。が、よく考えてみたら解決してないし、それでも日常はやってきている。
王子様を待っているお姫様も日本の女性進出の遅れをよく物語っている。
女の子が闘うはセーラームーンで既に世に放っているがお姫様を否定する、友情に焦点を当てるところがこのアニメの特徴だろうか。
何回も見返してる癖に、一人一人の言葉で目頭が熱くなる。
冬芽に立ち向かうウテナ、ウテナに心揺さぶられるアンシー、ウテナに傷ついて欲しくない冬芽のシーンは熱い。
シリアスな話なのにギャグ要素もふんだんに盛り込まれてるのも魅力だ。
ハッピーエンドじゃ無いかもしれないが、最後の終わり方も凄くいい。
このアニメは抽象的過ぎてわからない所も多々あると思うがネットで検索しつつ、自分で考えつつ、是非色んな方に見てほしい作品だ。