天膜と雪海とが分け隔てられた幻想的な世界観は見事なモノ。
憧れていた場所に辿り着いて人と出会い、真っ白な光景を目の当たりにしてとめどない感動があるのかと言えばそんなことはなく、敵に追われては王女と逃げ回り、人と人とが争う醜い光景をまざまざと見せられ…と全編通してカイナがじっくりと想いを巡らす時間が無かった感じがして勿体ない。
リリハ王女の向こう見ずで考えが甘い、それでも信念を突き通すさまは物凄く好み。
個人的には「上の世界と下の世界とで手を引く立場が変わるさま」がちっとも描かれなかったのが残念。
戦争のいざこざよりも、1~4話の「旅」にあたる部分を雪海の世界でじっくりと堪能したかった。
とはいえ、リリハがカイナに惹かれていくさま、限られた材料で描かれるアクションなど見ごたえは十分。