モモモ

機動戦士ガンダム 水星の魔女 第2クールのモモモのレビュー・感想・評価

4.2
1話
コードギアスR2並のクリフハンガーから、穏やかなシーズン2第1話。弟が生えていたルルーシュ、妹が生えてきそうなスレッタ。あくまで決闘で、あくまで学園物で。

2話
学園編、やっぱりお終いです。ガンダムは、モビルスーツは、武器でしょ、人殺しでしょ。コクピットの爆破に改造人間の死亡。Zガンダムあたりで良く観た光景を、今のガンダムでアップデート。このキャラの消費の速さ、クワイエットゼロにエアリアルの正体明かしに、想像の倍以上のスピード感とサプライズ性。傑作ガンダムシリーズになる予感が確信に変わったかもしれない。姉要素まで入ると、もう手に負えません。

3話
グエルくん、ここまで魅力的なキャラになるとは第1話でも予想していなかったよ…。精神の崩壊と再生、地球民の犠牲と人間性、1話で描くには贅沢なボリューム。再起しても尚、子供を助ける事が出来ない無情性が「戦争物」としての格をあげていく。ミオリネさん、早くスッレっタと合流して〜。

4話
ついにサクッとミオリネさんと合流。グエルくんもサクッと合流。展開の速さが癖になる。ガンダムの呪い=親の呪縛と過ちの根深さ。そもそもお前が(お前の親父、血脈が)始めた物語だろう?に対して親同士でやっとけよスレッタを好き勝手にはさせねえ!との啖呵。独りよがりではあるが人間らしい親たちの過ちがこの尺で描き切る。MSの戦いがない回で傑作がでる=優れたシリーズの法則。

5話
すげぇ、シーズン2もこの密度最高だな。グエルとの決闘=勝利で始まった物語がグエルとの決闘=敗北で円環を迎える。これまだ最終回先の先なんですが。恐怖と後悔でMSをまともに操縦できないグエルを押すには仲間からの声援。熱いぜ。好きだと真正面から伝えるグエル。ガンダムのいない世界にいて欲しい=自分とは縁のない世界という事なんだろうけど。グエルは成長し切ったので、残るはスレッタとミオリネだ。

6話
OP変更演出いいですね。気丈に振る舞うスレッタ、終盤での怒涛のネタバラシ。学園ものではなく政治劇、陰謀物にシフトチェンジ。要するにクローン体という事でいいんだろうか。スレッタの為にスレッタを突き放すミオリネ。同じように突き放すガンダム。毒親達にも愛はあるのだ。だけどコードギアスを書いた脚本家ですからね。孤立を深めるスレッタがむしろ心配ですね。2話連続で主人公が泣きじゃくりEND。辛い話が続くぜ。

7話
対話を望む若者(ミオリネとグエル)に暗躍する若者(シャディク)の上をいく大人達の陰謀合戦。転がされる若者VS若者(グエルVSシャディク)になるのだろうし、空回りしてしまったミオリネの心をスレッタが埋めるのだろうか。密告の件もそうだが「話せばわかる」という理想を本作はどこまで描けるのだろうか。

8話
ああ、本当に学園編は終了。シャディクの企みは明るみに、そして戦争と犠牲が始まる。MSで討論しながら戦う姿は正にガンダム。参考にしているであろうゲースロにあった「誰が死ぬか分からない緊張感」が本作にも遂に生まれた。展開の速さも最高。スレッタの成長が著しいな…。

9話
スレッタの成長速度、すげー!友達っていいですね。痛みの共有と対話。母ちゃんがマジのラスボスですよ。大化け。すげー。クワイエットゼロが思った以上にガンズオブザパトリオットでした。サクサク進むテンポ感が好きだが、3クール物だったのならどうだったのだろうとも考えてしまう。主人公機がラスボスで、敵対機で迎え撃つ展開になるのだろうか。兄貴に怒りが向かないのは解釈の一致ですね。それでミオリネを恨むのも虚しい物ですが。

10話
お馴染みのガンダム展開で急激に加速した物語。まさかのフェンシングまで。いや、まあ、宇宙世紀好きとしては嬉しいですが。1期の頃の「見とことないガンダムになりそう」は消えてしまったな。いや、面白いんだけどね。スレッタの扉を開いたミオリネ。ミオリネが自分で扉を開かせるための支えになったスレッタ。兄弟対決も始まり、親子対決も始まる。いよいよ最終決戦。キャリバーンかっこいいなぁ。苦しみながら戦うスレッタに涙涙です。あとマジでサントラが最高なんで早く発売してくれ。

11話
プロスペラを何故か応援してしまう。愛する身内の為なら虐殺も厭わない姿勢は、害悪だけど、共感できるからだろうか。しかし「これどこに着地するんだ」が最終回前に再度訪れるとは。どうすんのコレ。真の巨悪、諸悪の根源に対して、もう協力して虐殺しかないのでは…ないでしょうか…。エランくんがここまで魅力的になるとは。冷静なヘッドショット、お見事です。

12話
やっぱりプロスペラにクワイエットゼロ起動を成し遂げて欲しかったと思いつつ、矢継ぎ早ながら円環を閉じる演出術に長けた最終回。面白かったです。スレッタとエリーでスコアをさらに上げたら、待っていたのはニュータイプ的死者との再会。いやぁ、ガンダムですね。宇宙世紀オマージュに溢れすぎている気もするけど、いいです。エラン君との再会は何となく理解できたけど、ママの同僚&旦那との再会は…まあみんな一度は必ずガンドを使ってただろうから…理屈は通ってるのか。宇宙に漂うミオリネを抱き止めたことから始まった物語が、宇宙を漂うスレッタを抱き止めて閉じる。劇伴と歌の力か、短いエピローグで「いやぁ、終わったんだね」と充足感を得る。いや、まあ矢継ぎ早過ぎるし、プロスペラの扱いが気にもなるけど、僕は十分に楽しませて貰いました。母の傀儡だった少女は自分の意思を母に通し、姉と、花嫁との「進めば2つ」を得る。ありがとう、水星の魔女。
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