このレビューはネタバレを含みます
2023/07/07
最終回放送から5日経ったが、SNSでは水星の魔女の話題が未だに尽きない。否定的な批評も多いのだが、そういう否定的な人々すらこの5日間ずっと水星の魔女の話をしている。それは社会的なテーマを扱いながら、画竜点睛を欠く不完全さの故、批評のしがいがあるということなのかもしれない。
やはり家父長制が破壊できなかった事、クィア(同性愛)描写に深く踏み込まなかった事、ソフィやノレアや4号といった少年少女が死ぬ一方でCEOのような大人は(グエルパバを除き)生き残って罰も受けずにのうのうと暮らしている事、更にアーシアンとスペーシアンの関係性に関するポストコロニアル的な批判も目立つ。私は作品のファンであるが、この手の否定的批評を読むことは、作品の理解を深める上でも極めて有意義であると思う。
このような批判の多さは、なまじキャラクターが魅力的なので、そのキャラクターの生きる世界を残酷に描いてしまったことへの批判ということなのかもしれない。その証拠に作品に批判的な人々もスレミオのファンアートを沢山RTしている。
私は本作の問題点を理解しつつも、やはり初見時のエモーションは否定し難く、何よりスレッタとミオリネや他のキャラクター達が好きなので、点数は5.0据え置きとする。
ちなみにほぼ全員が好意的に受け止めてるのは、女性キャラクターの描き方かな。それは作劇だけではなく、キャラクターデザインによるところも大きい。
様々な年齢の様々な外見のキャラクターを描き、また違和感あるレベルで胸や臀部を強調したキャラクターがおらず、水着回や温泉回やラッキースケベ等の前世紀遺物に頼らなかった事は全面的に評価したい。
また中年〜年配の女性のバリエーションが豊富で、組織のトップや中間管理職ポジションに多数の女性キャラクターを配置したのは好印象。特にベルメリアはビジュアル的には自然な中年体型でありながらも可愛らしい印象もあり、ストーリー的にも中核に存在、罪を背負いながらも最後には責任を果たして自立するという魅力的なキャラクターとなっている。
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2023/07/02
TVシリーズやOVAを殆ど観てる私の中でも、ガンダム史上最高傑作となった。
学園モノ/企業モノ/決闘描写等に注目しがちだが、本作は戦争描写こそがキモだと思う。スレッタにはストーリー中で無闇に人を殺させず、作中の一回の殺人に対する贖罪意識を最後まで持っていた(グエルも同様)。ミオリネはMS技術を武器売買ではなく、医療という平和利用することを試みた。過去のガンダム作品で当然のように描いてきた様々な戦争行為をここまで避けても、ちゃんとガンダムがやれるというのは本当にエポックメイキングだと思う。
(人が死ぬことを期待してる人達は反省して。皆殺しにしてバッドエンドにするより、人を死なさずハッピーエンドにする事こそ脚本的には難易度高く、高尚だと思います)
何より女性主人公の時点で冒険なのに、同性カップルが最終話でちゃんと結婚したこと事は、ガンダム作品史上において極めて極めて重要だ(最後に四号が出てきた時はハラハラしたけど笑)。
未だに友愛関係だの『これは同性愛じゃない』だのという人々がいるが、どう考えても恋愛感情あるだろう。そもそも2話以降のミオリネの行動原理の99%はスレッタを思ってのもの。そういったものが友人に向けられる事もあるだろうが、ラストに結婚している以上は恋愛感情と考えた方が自然だ。(異性同士なら恋愛と考えるのに、同性だと認められないのは、やはりヘテロノーマティビティだろう)。
なお最終話の戦闘後、宇宙空間を漂う描写はF91のオマージュであり、スレッタとミオリネの関係=シーブックとセシリーの関係=恋愛関係という連想も可能だ。とはいえ直接的な描写がないと納得しない人々はいるので、本当は告白やキス描写が欲しかった。まあ続編か外伝でやっくれるならそれでも構わないけど。
家父長制関係については一話時点では期待したが、最終的には尻窄み。とはいえ若者に支持されてる理由の一つが各キャラクターの親子関係だそうで、そこそこ成功してるんじゃないかな。あまりやり過ぎると親世代からもヘイト食らうしね。
というわけで本編は終わったが、OVAのオリジナルエピソードか、最低でも劇場版の続編ぐらいは欲しい。スレミオやグエルやニカの今後が観たい知りたい。ホントのホントに次の展開、期待してます。
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2023/05/15
17話まで視聴。
17話を観て、スレッタ-ミオリネの関係性について『これは友愛ではなく恋愛なのだ』という確信を得た。最終的に二人が結ばれるかはまだ分からないが、17話時点では恋愛関係(ただし破綻寸前)であったと思いながら視聴を継続する事にする。
一話に感じたウテナオマージュの『フェミニズム』的な要素はあまり見えなくなってしまった。というのも、物語初期において家父長制の象徴だったグエルやデリングがもはや悪的存在で無くなってしまった為。なんだかコードギアスのルルーシュ-両親の関係性を思い出した。
現状悪役っぽいのはシャディクとプロスペラ、ペイル社の四人組あたりかと思われるが、更なる反転もあるのだろう。
きな臭い雰囲気を常に漂わせながら、決闘以外の戦闘を殆ど描かないのは本当に巧いと思う。日常シーンが長い故に、たまに来る『戦争』の印象が強烈となる。
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2023/04/09
とりあえず一話だけ視聴。
二期はガッツリ戦争やると思ってたけど、学園に戻って決闘やるみたいだ。
『学園ドラマと決闘』はウテナからの引用とはいえ、本作をガンダム作品として特異なものとしてる最大要因の一つでもあるので、簡単に捨てないで欲しかった。ちゃんとそれをやるらしいのは大変に良かった。今後も期待。