ろいろい

蟲師のろいろいのレビュー・感想・評価

蟲師(2005年製作のアニメ)
4.8
"畏れや怒りに目を眩まされるな。 皆ただそれぞれが在るように在るだけ"

■作品について
漫画を原作としたアニメ作品ではキャラクターやエピソードの追加削除などのアレンジが加えられることが多いが、
本作は「原作が面白いんだから、それだけを見て、忠実に映像化する」を掲げてほぼ完全に原作漫画に倣って制作されていることが特徴。
子供のキャラクターのアフレコには必ず子役を起用している。
ストーリーは1話完結型。

■感想
皆に知って欲しい作品。

視聴者を退屈させない程の素晴らしいストーリーを毎話考え付くその発想力には脱帽できる。

動物とも生物とも断言できず、また生と死の狭間にある「蟲」と呼ばれるものが本作のキーワード。
生命の原始に近い存在でありながら、作中では「下等で奇怪」と言われている。
そんな蟲と人とを繋ぐギンコの厳しさと優しさが作品を通して胸に沁わたってくる。

中には少し怖かったりする話もあるけど、視聴後の「ここで終わり!?」と尾を引く奇妙な世界観に魅せられた人も多いのではないだろうか🤔
人であり続けることが必ずしも幸せとは限らないし、綺麗ごとで終わるのだけが人生じゃないということに気づかされる。

そして何と言っても、自然を切り取った映像美・音楽美が織りなす日本の原風景は1つの絵/映像としての完成度があって、ただ眺めるだけでも充分に楽しめる。

フィクションでありながらもどこかノンフィクションに思える、そんな不思議な本作は高評価なのも頷けた。

ただ、話の流れや描写は淡々としてるため、バトルなどの判りやすい見せ場はない。

この世はヒト知れぬ生命にあふれているのかもしれない。