このレビューはネタバレを含みます
冒険者が龍に喰われて死んだと思ったらスケルトン(魔物)になっていて、それでも人間に戻るために魔物を殺して進化していく話。
馴染みのメンバーにはバレるもみんないい人だからちゃんと理解して匿う心の温かさが良かった。普通に面白かった。
内容
丘野優によるライトノベルが原作。“神銀級冒険者”を目指すも万年“銅級下位冒険者”のレントは、低位迷宮の奥で遭遇した“龍”に食われてしまう。命運尽きたかに思われたレントだったが、なぜか最弱の魔物“スケルトン”として目を覚ます。魔物の特性である“存在進化”を利用して人間に戻ることを思い付いたレントは、再び“神銀級冒険者”を目指そうとする。
1. 万年銅級冒険者のレントは、毎日一人で迷宮に潜り、弱い魔物を狩って暮らしていた。“水月の迷宮”で新たな通路を発見したレントは、大喜びで貴重な魔道具や名声を期待して探索を始める。ところが、未踏破区域にいたのは魔物の中でも最上位の存在・龍だった。龍に食われてしまうも何故か意識を取り戻したレントは、“スケルトン”の姿で目覚めていた。
2. レントは最弱のスケルトンからグールへと“存在進化”を果たし、さらなる進化を目指して魔物と戦い続けていた。そんな中、“水月の迷宮”に新人冒険者のリナがやって来る。魔物との戦いで窮地に陥ったリナは、助けてくれたグールが冒険者のレントだと知って驚く。それでもリナは本拠地の街マルトへ戻りたいというレントのために、衣服の調達を引き受ける。
3. マルトに戻ったレントは、十年来の友人である学者のロレーヌを頼ることに。魔物や魔術の研究をしているロレーヌは、異形と化したレントを冷静に受け入れ、協力を約束してくれる。アンデッドになっても冒険者を続けたいレントは、神銀(ミスリル)級冒険者になるという夢を諦める気は全くない。そんな中、早速装備を整えようと鍛冶屋・三叉のもりに出掛ける。
4. レントは再び“水月の迷宮”の未踏破区域を探索するが、迷宮の中で出会った男・ロリスをマルトに帰すため、探索の途中で引き上げることに。レントは、ロリスの命のみならず彼の借金まで助けてやり、深く感謝される。しかし、当のレントは人間の血肉を求める衝動に苦しんでいた。耐えきれなくなったレントは自我を失ってしまい、ロレーヌに襲い掛かる。
5. レントは、グールから屍鬼へと存在進化した。見た目も大分人間らしくなり、自分で冒険者組合(ギルド)の依頼を受け、実績を積みたいと考える。しかし、レントは万年銅級冒険者ではあるものの、ギルドへの貢献度は高く、元の顔を知る者も多い。そんな中、ロレーヌの入れ知恵により、レントは別人としてギルドに登録し、鉄級冒険者として改めてスタートすることに。
6. 新人冒険者“レント・ヴィヴィエ”として、レントは難しい依頼を達成する。レントはギルドの職員・シェイラから実力を認められ、銅級への昇格試験を許可される。早速、昇格試験に参加し、筆記試験を軽々と突破する。次の実技試験で、レントは同じく受験者のライズ、ローラとパーティを組み、新月の迷宮へ向かう。だが、その試験は迷宮に入る前から始まっていた。
7. レントたちが挑んだ実技試験は、受験者の戦う力だけではなく、冒険者としての適性を試すものだった。ライズとローラは戸惑いながらも、レントの手助けを受けて乗り越えていく。そして、そんな受験者たちの様子をギルドの職員はつぶさに観察していた。一連の報告を受けたシェイラは、“レント・ヴィヴィエ”の正体が“レント・ファイナ”だと確信する。
8. レントはクロープに新しい剣をつくってもらう。剣はすばらしい出来だったが、存在進化に伴って魔力や気力、聖気も増えていたため、より強い剣がほしくなる。ミスリル級を目指す上で良い装備は不可欠であり、そのためには金が必要。しっかり稼ごうとギルドに向かったレントは、そこで厄介な問題を抱えた村人と遭遇する。
9. レントはギルドで、報酬はたったの銅貨一枚の格安依頼を見つける。その依頼とは、ギルドが伝統的に行う困っている人を助けるための特別な募集だった。依頼主はアリゼという名の少女で、彼女が世話になっている孤児院の院長・リリアンを助けてほしいという。依頼を引き受けたレントは、リリアンの病を癒やすために必要な竜血花を採りに、危険なタラスクの沼へと向かう。戦いに勝ち続け無事竜血花畑にたどり着くもそこには別の男が。