映画ケーン

シュタインズ・ゲート ゼロの映画ケーンのレビュー・感想・評価

シュタインズ・ゲート ゼロ(2018年製作のアニメ)
2.6
イマイチ!

TVアニメの『STEINS;GATE』で話は完結してたのに欲をかいたか続編が出る、ってのはまあ良いにしても、「β(ベータ)世界線」っていう前作で乗り越えた所の「世界線」をやってる訳で、”なぜわざわざ”こっちの世界線でやるのか、って理由が必要になるのだが、そうなっていない。それはつまるところ、物語上、2人が生き残れるシュタインズゲートを見つけて終わる、って最後が見えてて「どの世界線へ行こうが、タイムマシンは作られ、シュタインズゲートを見つけるところまで世界線は収束するんだ」っていうハッピーエンド的な良い話になるってのが作る意義ではあるんだが、それ以上に何か必要である事は確か。なぜなら最後シュタインズゲート見つける事で終われば後はテキトーで良いじゃん、ってなるから。

で、今回は無駄が多い様に思う。前作は、完璧とまでは言わないにしても、一見どうでもいいギャグとかダルいウザいアイツが後から重要になってはいた。しかも、その裏(裏って程隠されてはないけど)では物語は密かに進行している。

あと描き込みが雑に感じた。パソコンの配線だとか、カフェの椅子の配置だとか、橋周辺の風景だとか。屋上への階段も妙に幅が広くてリアリティを感じないし、生活感も薄い。あと気のせいか分かんないけど、未来ガジェット研究所がちょっと広くなってる様にも見える。
とにかく物の配置とかの生活感の無さとかが気になって嫌になる。仕事してね〜なって思っちゃう。

んで、今度は後半でタイムマシンに乗ったまゆしぃと鈴羽をミサイルから何度も守ろうとする、って展開になるんだけど、それは前作と同じだから、どうせ続編やるなら何か別のものが見たかったな。
例えば、前作での岡部はまゆしぃを助ける為なら何でもするっていうある種の狂気すら感じる様な部分が垣間見えてて、それを続編で描いてみても良かったんじゃないかな。具体的には「シュタインズゲート世界線でもまゆしぃは早めに死んでしまう」だから、更に新しい世界線を、自分の大切な人の為なら周りは関係なしに、見つけようとするちょっと”マッド”な人になって行く所、あるいはそこでもがき葛藤する所があったら面白いのかな〜なんて思ったり。

設定も前作はもっと作り込んで突き詰めれた部分は結構あって、それをやるチャンスでもあったのに。

ただ、鳳凰院が帰って来た時は「やった!」って感じた(多少の接待感はあったけどね)。
ラストの鳳凰院がポケットに手を突っ込んで、白衣が靡いている中二丸出しのシーンはこのキャラクターならではのカッコいい終わりで最高だった。
24話目は蛇足。

あと、日本の作品に出る日本語話す外国人の「日本人の考える日本語下手な外国人」のあのちょっと違うだろ感はどうにかならんのか。

かがりがクリスティーナと似てる理由も良く分からん。

2036年だっけ?に岡部が行くってシーンは面白かった。
あ、でもあのシーンの、タイムマシン飛ぶ直前のシーンもだけど、そこの銃撃戦の戦い方のリアリティの無さも酷い。

まあ、前作が好きなだけあってイマイチでした。このシリーズじゃなかったら途中でやめてた。
映画ケーン

映画ケーン