強力な人体改造を施した貧困層の少年が、末端の傭兵チームに身を置きながら、生きる道を模索していく。人気ゲーム「Cyberpunk2077」をベースにしている、ネトフリ配信用アニメ作品。日本のスタジオ「TRIGGER」による製作。筆者はゲーム版をプレイ済み。
人体のサイボーグ化が常態化しており、社会の無秩序状態が悪化の一途を辿っている、近未来ディストピアの物語。ゲーム版の世界観を忠実に落とし込みながら、ゲーム本編の前日譚をオリジナル脚本で補完していく内容になっている。
主人公は、亡き母の遺志を聞き入れ、チーム仲間の支援に努めることにより、本能と自我のシーソーゲームを始めてしまう。純粋な旅費さえあれば、傭兵仲間のヒロインと一緒に月面へと旅立てるのだが、汚い金を頼りにしなければならない境遇に陥っている。
全体的に駆け足であり、「公式が2倍速視聴の状態」になっているが、舞台となるナイトシティの混沌が十分に描写されており、社会の必要悪に翻弄される人間たちのメロドラマに涙腺が刺激させられる。ゲーム原作のアニメ化としては大満足の出来栄え。