月、一緒に行けなくてごめんな
観終わった後の満足感と喪失感は耐え難き。デイビッド、ルーシー、レベッカ、メイン...ナイトシティを駆け抜けたエッジランナー達。伝説に思えるが、ここではただの日常でもある儚さ。
デイビッドが成長していく様と、少しづつ身体に異常をきたす様は見ていて辛い。彼の無理をする理由はいつだって、仲間やルーシーのためだ。
ルーシーはここではないどこかに逃げ出したかった。閉塞感と追手から逃れるために。その答えの一つが「月」であって、月へ行きたいわけじゃない。
デイビッドと過ごす中で、幸せな時を過ごし、彼が人生の光となったことで、月に行く必要は無くなった。だからこそデイビッドを絶対に失いたくなかった。
「月、一緒に行けなくてごめんな。」
違う、月に一緒に行きたかったんじゃない。それは比喩であって、一番失いたくないのは貴方、デイビッドなんだ。
最後に月で見たデイビッドの幻覚。その時ルーシーの息を呑む姿と苦しい中の微笑みは、あまりにも悲しくて、、
でもデイビッドがナイトシティをエッジランナーとして駆け抜け、ルーシーに生きてもらうという夢は叶ったわけで。。
サイバーパンクの世界で名を残す方法は、”どう生きるか”ではない。”どう死ぬか”だ。凡人として平穏な生涯を過ごすか……名を上げて華々しく早死にするか。それを選ぶことだ。彼は後者を選び、伝説になった。
史上最高のアニメ。10話完結のスピード感も素晴らしい。