そうか、自分はあのときデイヴィッドとレベッカの仇を討っていたのか……という感慨にしばし浸る。見たことのある背景、専門用語、ガジェット、効果音など全く同じでありながら原作とかけ離れたアニメ絵がしかしちゃんとサイパン世界に馴染んで動いている。話はまぁ成り上がりからの裏切りで加速的に破滅に向かっていくヤクザもののパターンを踏襲するわけだが、伏線張りが丁寧だからまぁまぁ楽しめたかな。
正直TRIGGERの嫌いな部分もあったけど、逆にアニメーションはTRIGGERの良いところがふんだんに現れていて、そもそも「リミテッド・アニメーション」はアメリカ発なわけで、TRIGGERはそこら辺の歴史にちゃんと自覚的だよなぁ……などとしみじみ思った。
つまり「日本的＝虫プロ的リミテッド」は『鉄腕アトム』に始まって出崎統から幾原邦彦へと受け継がれていく諸々の誇張表現のことを言うのだと思うけど、そうではなくてUPAに始まるアメリカらしいリミテッド感があるのがTRIGGER作品だなと。それがNetflixという発表の場と見事にマッチしているのも良かったのかなと。
