膝の皿

【推しの子】第2期の膝の皿のレビュー・感想・評価

【推しの子】第2期(2024年製作のアニメ)
2.5
1期はまだ見ていられたが、2期になってからいよいよ問題点だらけになってしまっている。

序盤の、原作のある作品を他の媒体で作る(今回は舞台化)際の問題点などを描いているところは、タイムリーな部分もあって興味深く見れる部分も多かったが、舞台公演の話が近づくに連れてどんどんいらない要素などが増えていった。
まず、前期からある恋愛要素は相変わらず必要性を微塵も感じない。そもそもの話、主人公は前世の頃から数えるともう結構な歳のはず。そんなじじいが女子高生相手にカッコつけてるところなんてさすがに見ていられないし、女性キャラクターたちがことあるごとに頬を赤らめたり嫉妬したりするのもただただ邪魔にしか感じない。
ギャグのつまらなさも前期から変わらずな感じで邪魔に感じる。

そして今期一番の問題点が、キャラクターを見せようとしすぎて、登場人物の人間性がめちゃくちゃになってしまっているところだと思う。
特に舞台公演本番の話においてそれがあまりに酷く、キャラクターをカッコよく見せようとしすぎて、「目立ちたい」「負けたくない」という自己中心的な理由で舞台をめちゃくちゃにする自分本位でプロの役者として失格な登場人物ばかりになってしまっている。結果的に才能が開花して成功しているから大丈夫なだけで、やっていることは自分のことしか考えていない酷すぎる行為。そして途中、ある登場人物が舞台をめちゃくちゃにしないために、他の役者を引き立たせる演技をしだすが、その後結局その行為を否定するような方向に物語が進んでいってしまってさすがに肩を落とした。キャラクターを売りに商売を行っているタイプの作品なのにも関わらず、こんなキャラクターたちを好きになれるわけがない。大衆を意識しすぎていよいよ破綻してしまっている。
キャラクターの見せ方においても中二病的な感じ増し増しでかなりキツい。

あとこれは一期においても割とそうだったが、物語の本筋から長期に渡って逸れていて、なにを見せられているのかわからなくなるときがある。裏テーマなのだろうが、さすがに逸れすぎているように思う。
演出においては良い部分もあるし、独自の見せ方をしようとしているのも挑戦的でいいものの、アニメーションでやる必要のないものが多く、成功しているようには思えない。


1期2期通して、大衆の支持を獲得していっている部分に関しては本当にすごいと思うし、この作品から学べる部分もあると思うが、大衆性を意識しすぎてキャラクターやストーリーがめちゃくちゃになってしまっており、正直物語を書いたり見たりするうえで反面教師にするべき部分の方が多い作品だと思う。だからこそつまらなくても見続けている。
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