このレビューはネタバレを含みます
前シーズンから継続視聴です。前シーズンからの期待に応えてくれるいい作品でした。原作は未読ですので、その点ご了承ください。
作品レビューとして「よかった点」「気になった点」、ネタバレ多めの「雑多な感想」の三本立てでお送りします。
よかった点。
やはり演出、アニメーションだからこそできる映像表現でしょうか。こういったものに出会えるたびに「やっぱりアニメっていいなあ」と思えます。同じクールに他の大きいタイトルも抱える中で、ここまでのものをお出ししてきてくださった動画工房さんには畏敬の念を抱きます。
気になった点。
第1期もでしたが、お話として面白いパートは多くないことです。本作は大きく「舞台東京ブレイド/劇団ララライ編」と「宮崎旅行編」の2つのパートから構成されています。微ネタバレになりますが、尺としては前者に多くが割かれており、ここでは“本編”のお話はあまり進みません。「舞台東京ブレイド/劇団ララライ編」の楽しみ方を自ら見つけられないと視聴は少し辛くなるかもしれません。詳細は感想パートにて。
以降雑多な感想。
断言してしまうと「舞台東京ブレイド/劇団ララライ編」はお話が面白いわけではありません。序盤は説明的なシーン、エンタメ性に欠ける展開も多々ありました。そして本編(以降父親探し関連のお話を本編と呼びます)に関する進展も最後に少しだけ。そのため本編とは別の楽しみ方を自分で見つけなければいけません。嘘か真かな芸能界の裏側を描き出す内容をふむふむと楽しむのも乙ですが、私はメルトに着目していました。第十三話の段階で後にフォーカスされる回がありそうだと踏んだためです。このような視点で観ていたため、個人的には「舞台東京ブレイド/劇団ララライ編」もそれなりに楽しめたかなという気持ちです。実際十七話にて壮絶な回収がされました。映像表現としても本作一番の山場といってもいいかもしれません。この回を観て目頭が熱くなったのを昨日の事のように覚えています。
「舞台東京ブレイド/劇団ララライ編」
のもうひとつの山場はやはり第二十話でしょう。ずっとクールであったアクアが演技という分脈で遂に感情を爆発させるシーンには心動かされました。「どれだけ夢想しただろうか」というところからつけられた『夢』というタイトルも秀逸です。最終話を観た後だと、このエピソードが後の内容に繋がる可能性もあると感じています。
その他印象に残った表現について、箇条書きで簡単に。
・第十六話の劇伴
あかねが不穏な雰囲気を見せる際のものです。直前の日常描写に合わせた劇伴が大胆かつ自然に不穏なものへと変化していて見事でした。お恥ずかしながら私はあまり劇伴が耳に残ることはないのですが、これはとても印象に残りました。
・エンディングの映像表現
ルビーに「宮崎旅行編」までほぼ出番がなかったため解釈のしようもなかったエンディング映像。「宮崎旅行編」で一気に情報が集まり、解釈が可能となりました。表現したいものはシンプルなのに、表現の仕方が非常に面白いと感じられる映像でした。
・POP IN 2
MV好きです(直球)。ヌルヌル動いてて最高でした。ルビーの目が2パターンあるのは、実際のMV素材撮影順を感じさせてくれます。
初めの転生以来、本作は芸能界の裏などひたすらに“リアル”な要素を描き続けてきました。転生というオカルト要素の回収、および“リアル”な要素とのバランスをどうとってくるかがひとつ今後の見所になるかと思います。「宮崎旅行編」では思わせぶりに神様のお話が登場したので、そちらになぞらえたものになるのかもしれません。
復讐からのまやかしの解放を得たアクア、復讐に目覚め第二の復讐者となったルビー、そして恐らく現時点で真相に誰よりも近いあかね。またしても何も知らない有馬かなさん。第3期では本編であかねの協力もありうるかもと楽しみです。
お話としてはルビーが復讐に目覚め、宮崎旅行を終えるまでが描かれました。第3期では進級後である半年後から描かれそうです。第3期制作決定おめでとうございます!期待しつつお待ちしております。