このレビューはネタバレを含みます
まとめてしまうといわゆるポストエヴァ的な作品だが豊富なミリタリ知識などに裏打ちされた設定はめちゃ斬新。
そこに過激な極右キャラ西田さんなども相まってかなりエキセントリックな作品になっている。
こんなアニメがニチアサにやってた時代恐ろしすぎる。
一見すると硬派なアニメだがやってることは無茶苦茶なので一周回ってギャグアニメとして観ると面白い。
「アジアン静脈瘤」や「穀物モラトリアム」みたいな造語のチョイスが絶妙。98年当時でもギリギリだと思うが今だと尚更放送できないかも。
毎話ユウシロウもとい高橋監督(かな?)が次回予告・タイトルコールで短歌を詠むのもかなり凝った作りでユニーク。
色々好きなエピソードはあるけど中でも好きなのは21話「疾走」。ユウシロウ君に感化されたお姉さんたちが自問自答の末に横田基地を襲撃しに行くという回。アニメとはいえ過激すぎます。
終盤はやはり西田さんのキャラが強すぎて主人公達は空気状態。「事を治める」と言って自刃した後の最終25話すらも蛇足にしていく勢い。
本作の名言はほぼ全て西田さんに詰まっていると言っても過言ではないと思う。
西田さんの最期のシーンは三島事件や「日本のいちばん長い日」のような凄みすら感じさせる。
広川中佐の「西田先生ー!!」という絶叫シーンは鳥肌だった。
実験的すぎて活きてこないキャラ・設定も多いが一個一個が尖っていて、これがコードギアスに繋がるのかと思うとこの作品も浮かばれるかも。
エヴァを見ずに先にガサラキを先に見たら親だと思ってついて行くかも。それくらい色んな意味で衝撃度は高い作品。
能の設定が活きてたのかは最後までよく分からなかったのと、よくよく考えたら平安時代に能は無いじゃ‥‥?
(平安編のOPのリミックスがめちゃカッコいい)